研究課題/領域番号 |
16360319
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
香山 正憲 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, グループ長 (60344157)
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研究分担者 |
秋田 知樹 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (80356344)
田中 真悟 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (50357448)
田中 孝治 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (40357439)
藤谷 忠博 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学研究部門, グループ長 (50190054)
前田 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学研究部門, 研究員 (30357983)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2004年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 金属 / 無機ナノヘテロ界面 / 金ナノ粒子 / 酸化チタン / 電子顕微鏡観察 / 電子線ホログラフィー法 / 走査プローブ顕微鏡 / 第一原理計算 / 界面ストイキオメトリ / ナノ触媒 / 走査トンネル顕微鏡 |
研究概要 |
金属/無機ナノヘテロ界面の触媒機能のメカニズム解明を目指して、Au/酸化物系に電子顕微鏡観察(高分解能法、ADF-STEM法、EELS、電子線ホログラフィー法)、走査プローブ顕微鏡観察(SPM)、第一原理計算の三つの手法を緊密に連携しながら適用し、界面の微視的構造や相互作用を探った。Au/TiO_2バルク界面の電顕観察では、実触媒と同じ優先方位関係が観察され、stoichiometricなTiO_2表面から作成した界面ではTiの還元は観察されなかった。Au/TiO_2系のSPM観察では、Ti-richなTiO_2表面がstoichiometric表面に比べAu微粒子や原子を強く吸着することが示された。これは、Ti-richやO-richなTiO_2表面とAu原子層が強い界面相互作用を持ち、電子移動や軌道混成が生じるとする第一原理計算結果と合致する。第一原理計算では、さらにTi-richなTiO_2表面へのAu吸着系で走査トンネル顕微鏡像を良好に再現すること、AuとTiO_2との相互作用はPtやAgとTiO_2とのそれと異なることが判明した。Au/TiO_2系の電子線ホログラフィー法観察では、Au粒子サイズが2〜4nmより小さくなると平均内部ポテンシャルが急上昇する現象が観察されるが、析出沈殿法で作成した試料の方が真空蒸着法による試料より変化の立ち上がりが早い。これはO-rich界面の電子移動による界面dipoleの効果と推定される。このようにAu/TiO_2系では、界面stoichiometryの乱れの効果が触媒機能に大きく関わることが強く示唆される。一方、Au/CeO_2系の電顕観察では、電子線によるCeO_2の酸素空孔形成・ordering、空孔の回復と連動して、Auクラスターがダイナミック且つreversibleにCeO_2上で消失・再成長を繰り返す現象が発見された。この過程でAu界面原子層がCeO_2表面に強固に接合している様子が観察され、界面stoichiometryの乱れがあると推定される。雰囲気に依存した担体の酸化還元状態に応じて接合金属クラスターが形態をダイナミックに変える現象は、触媒機能に大きく関わると推定され、今後の掘り下げた解明が興味深い。
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