配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
1.自己規則化多孔質アノード酸化皮膜の形成 多孔質アノード酸化皮膜を形成するための新規電解液としてリン酸塩を含む高温グリセリン溶液を用い,研究を展開した。チタンでは,アノード酸化時の皮膜結晶化に起因するガス発生と皮膜溶解のため,多孔質皮膜は得られなかったが,合金化し,アノード酸化皮膜の結晶化を抑制することで自己規則化多孔質皮膜の形成に成功した。この皮膜はフッ化物水溶液中で得られるナノチューブ状膜ではなく,一般的なアノード酸化多孔質アルミナに近い形態となっていた。この新規電解液と水溶液電解液との違いを明らかにするために,アルミニウムを高温グリセリン溶液中でアノード酸化し,水溶液中と同じように生成電圧によってセルサイズが変化することを明らかとした。 2.バリア型アノード酸化皮膜の構造制御 アノード酸化チタニアの結晶化を抑制するために,合金化を行い,結晶化の機構とその抑制法の確立を行った。チタンの場合,結晶化は酸化物が皮膜/素地界面で生成する際に生じるが,合金化すると,この界面での結晶化は抑制されるが,アノード酸化前に存在する大気酸化皮膜を基点として結晶化が進行する。しかし,合金化によって大気酸化皮膜中にも合金元素イオンが存在する場合,酸化皮膜の改質により,結晶化は効果的に抑制できる。 3.火花放電アノード酸化による硬質膜の形成 アノード酸化皮膜の絶縁破壊に伴って発生する火花放電を利用して,高結晶性で硬質なアノード酸化皮膜を各種実用チタン材料上に形成した。電解液としてアルミン酸塩を含むアルカリ溶液を用い,チタン酸アルミニウムを主体として硬度が6GPa程度の酸化膜を各種チタン材料に形成できることを示した。生成挙動はチタン材料に依存したが,高電圧までアノード酸化することで,いずれの酸化膜にも同等の酸化膜が生成した。
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