配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2004年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
基板に入射する原料の選択とそれらの入射角度(運動量)の制御を基板直前で行う新しいプラズマプロセス法を提案し,原理検証の実験と機能性材料として酸化亜鉛系の透明導電膜を合成した.この方法はサイクロトロンイオンと高周波電場の相互作用の結果発生する時間平均のマックスウェル応力を基板直前に発生させ原料イオンの種類とそれらの運動量を制御するものであり,実効的な応力を増強するにはイオンを基板直前に形成される高周波電場区間に低速度で入射させることが重要となる.前半は,イオンの入射速度を抑えるためにプラズマの音速を決定する電子温度の低減に努めた.後半は低気圧酸素-亜鉛混合プラズマ源の開発を行い,本方式はECRプラズマ源と動重力発生アンテナの組み合わせにおいて,プロセス装置の完成に至った.この過程で,低気圧放電プラズマからの低エネルギー電子の引き出しに成功した.その結果,酸素の原子と分子の正イオンに動重力を作用させる環境が整った.透明導電膜の合成中に酸素分子に動重力を作用させた結果,基板非加熱,ノンドープにおいて10^<-4>Ωcm台の抵抗率を非晶質のガラス基板上に実現し,その経年変化が極僅かである試験材料の合成に成功した.これは,ECRプラズマ源と3次元移動型亜鉛蒸発源の改良に負うところが大きい.ZnO系透明導電膜は,資源枯渇やリサイクルエネルギーの低減を見越した高度情報化及び環境循環型社会に必要不可欠な基盤材料であり,この研究で得た知見が活用されると思われる.
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