配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
(1)酸化皮膜中のボイド形成の定量的予測 高温酸化過程の皮膜中の化学ポテンシャル分布,イオンの流れ,その発散を求める速度式を確立し,発散がボイド形成の定量的目安となることを示した。 鉄の高温酸化をモデルとして,提案した手法の実験的検証を行った。 (2)高温燃斜電池(SOFC)のインターコネクタ用フェライト系Fe-Cr合金の高温酸化と導電性 Fe-16Cr合金の高温酸化をSOFCの作動条件を模擬して行った。すなわち,1073Kで,試料の一方の面を空気,他方をH_2O/H_2=3/97の混合ガスに曝した。 両面ともにCr_2O_3の連続皮膜が形成し,その,成長速度はほぼ等しい。これは,皮膜中の欠陥構造は格子間Crイオンが支配的な領域にあることを示している。 (1)で提案した手法を用いて,皮膜中の酸素ポテンシャル分布を評価すると,皮膜の大部分で酸素ポテンシャルは低く保たれており,導電性が高い皮膜が得られる理由が明らかとなった。 また,外部電流を印加しながら酸化実験を行うと,カソード側の皮膜成長は抑制され,アノード側では促進されることを見出した。両極における酸化速度を予測する式を導出し,この結果を定量的に解析しするとともに,長時間の酸化挙動を予測する手法を提案した。 (3)酸化皮膜の組織形成過程の制御法と機能性の設計法 本研究をまとめると以下のようになる。 (1)拡散係数の酸素分圧依存性を知ることができれば,組織形成を予測できる。 (2)組織の制御たはイオンの拡散係数の制御が不可欠である。これは原子化制御を達成できれば可能である。 (3)皮膜中の化学ポテンシャル分布の評価は,皮膜の組織および機能の設計には極めて有力である。
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