配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
樹脂基CNT複合材料を射出成形して成形品を作製し,機械的・電気的特性を調べることにより,以下の研究結果を得た. 1.TEM利用ナノ材料試験法によるCNT及びCNT複合材料の力学特性評価 超高圧透過型電子顕微鏡(TEM)中でのナノ材料試験法を用い,圧電素子と電解タングステン針で構成されたマニピュレータを利用したTEM中でのCNTの曲げ試験により多種類のCNTのヤング率を導出した.さらにCNT複合材料の引張試験及び曲げ試験を行った.すなわち,変位と力及び電流・電圧特性を動画とともにサンプリングできるステージを加えて,TEM中でのナノ材料試験を可能とした.ついで樹脂基複合材料を対象としてプローブを圧電素子により駆動して変位と力をモニタリングするための樹脂基CNT複合材料引張試験用のナノ材料試験ホルダを新たに設計・試作して,実際にCNT複合材料の破壊挙動が,以下のCNT表面の官能基修飾により大きく異なることを明らかにした. 2.樹脂基CNT複合材料の表面修飾 CNT表面のプラズマ処理を検討した.すなわち,炭化水素系のプラズマ中にCNTを曝すことによってアモルファス炭素の膜を形成し,さらに表面にアミノ基を修飾した.そして,処理後のCNTを,各樹脂中に二軸混練機により混練して複合材料を作製し,CNTと各樹脂との界面接着強度及びCNTの分散がどの程度向上するかをナノ材料試験と透過光による顕微鏡観察により定量的に明らかにした. 3.樹脂基CNT複合材料の射出成形とマクロ的特性評価 射出成形により樹脂基CNT複合材料を成形する.そして,上述のCNTの表面処理及び各樹脂とCNTとの混練条件及び成形条件(特に圧力と温度)が材料の諸特性に及ぼす影響を,成形品のマクロ的な引張試験,曲げ試験,粘弾性試験,四端子抵抗率測定,密度・比熱・温度伝搬率測定により明らかにした.特に複合材料表面付近のCNTの配向と濃度を明らかにして表面伝導率との関係を検討し,総せん断歪み量が大きくなると複合材料の抵抗率が上昇することを明らかにした.
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