配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
木質素材は,計画的な伐採と植林を行えば,枯渇することなく持続的な使用が可能な低環境負荷材料であり,今後ますます有効な材料として期待される.しかし,樹木は成長に長い年月を要するという生産性の問題や,任意の形状に加工しにくいといった加工性の問題を抱えている.現在,これらの問題を解決する方法として,木材をチップ状に粉砕し固形化する方法が広く用いられている.しかし,固形化の際に石油系の接着剤が使用されているため,廃棄の際の環境汚染が問題として残る. 石油系接着剤などを一切使用せずに木材粉末のみを固形化する技術が開発されれば,任意形状の木質製品の製造が可能になると共に,木材を粉末状,チップ・ブロック状にして使用するため,生産性の向上が期待され,さらに廃棄の際の環境問題も改善される. 本研究では,木材粉末の固形化・流動のメカニズムを解明すると共に,木材粉末のみを用いた複雑形状部品の成形技術を確立することを目的とする.木材粉末を用いて複雑形状部品を成形する場合には,金型への充満状況(流動性)とその部分での固形化が重要課題である.そこで,1.木材粉末の形状,含水率および金型内の雰囲気(温度,圧力)を変化させて押出し成形を行い,木材粉末の形態変化を調査し,流動のメカニズムおよび固形化の条件を明らかにした.2.複雑形状の金型を用いてホットプレス,押出し,射出成形を行い,成形条件(圧力,温度,粉末形状等)と粉末の流動状況の関係を明らかにした.最適加工条件の下では,金型の隅々において相対かさ密度0.9以上,ビッカース硬さ約25HVの均質な複雑形状部品(ワイングラス形状)の成形が可能であることが明らかとなり,木材粉末のみによる実用化製品の製造の可能性が示された.
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