配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
本研究は,波長可変レーザによる光電効果を利用してアーク作動中タングステン電極の実効仕事関数を測定すると同時に,作動中の陰極表面を観察することにより,多方面からプラズマ・陰極系をin-situに診断・解析することを目的としたものである. 波長可変レーザによる光電効果を利用したアーク作動中タングステン電極の実効仕事関数を測定した.その結果,アーク電流200Aの条件において,W電極,2%ThO_2-W電極および2%La_2O_3-W電極の各実効仕事関数がそれぞれ4.6eV, 2.8eV, 3.0eVと導出された.これらの値は文献値とよく一致していることが明らかになり,エネルギー入力が大きく十分に熱的に満たされた場合には,タングステン電極の実効仕事関数は電極物質あるいは添加エミッターの仕事関数に一致することが結論づけられた. さらに,実効仕事関数に与えるエミッター添加量の影響について調査した結果,エミッター添加量の低下は実効仕事関数を上昇させると共に電極の作動表面温度も上昇させ,徐々に純タングステン電極化させることが明らかになった. また,デジタルマイクロスコープを導入して作動中のタングステン電極表面の静的な様子を高解像度に観察するとともに,高速度デジタルビデオカメラによる動的な観察を加えることにより,電子エミッターが溶融した状態でごく薄く電極表面を覆っていることを確認した.なお,その厚さについては未だ不明である.これを受けて,これまでに得られた実効仕事関数と文献調査によって得られた電子エミッターの融点を大気圧アークプラズマの数値解析モデルに反映させることにより,タングステン電極からアークプラズマに亘る作動状態の数値計算シミュレーションを実行した.これにより,今まで経験的に知られていたタングステン電極の種類によるアーク放電のプラズマフレーム形態の相違を定量的に説明することに成功した.
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