配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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研究概要 |
近年,製造技術は,技術開発の迅速さと精緻さが要求され,従来からの勘や経験による対応だけでは国際競争に対処できなくなってきている.特に,高品質を要求されるIT分野や航空宇宙分野においては,コンピュータシミュレーション解析による製品開発が必須になってきている.従って,このようなシミュレーション解析で用いる融体および結晶の高精度な熱物性値が産業界から強く要望されているが,溶融シリコンのような半導体材料やニッケル基合金のような超高温耐熱材料の高温融体は化学的に極めて活性で,測定自体が困難であることから,信頼にたる熱物性値が得られているとは言い難い. 本研究では,高温活性融体の熱物性値を過冷却域から広い温度範囲で高精度に測定できる装置として,坩堝からの汚染がない電磁浮遊装置を用いた.過冷却域を含む溶融シリコンの分光放射率の測定を行い,溶融シリコンの放射率は,温度によらずほぼ一定であること,また,その放射機構は自由電子モデルに従うことを明らかにした. 静磁場を重畳した電磁浮遊法により,シリコン液滴を剛体球のように扱えることを示した.対流が抑制され,熱的にはあたかも固体のような振る舞いをするシリコン液滴に対して周期加熱レーザーカロリメトリーを行い,熱輸送特性である熱容量,半球全放射率,熱伝導率の測定法を確立した.静磁場の強度を上げると液滴内の対流は次第に抑制され,2T以上では,真の熱伝導率が測定できることが分かった.溶融シリコンの熱伝導率はWiedemann-Frantz則に従う,すなわち自由電子の寄与が支配的であることを明らかにした.
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