配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
低プラントル数流体であるシリコンハーフ・ゾーン液柱マランゴニ対流における,高レイノルズ数(マランゴニ数)領域について,不安定構造を熱電対による温度振動と表面振動を位相シフト光学干渉法により実験的に調べた.モード波数の時間変化をみると,様々なモード波数が時間依存性をもって現れることを確認できた.モード波数の出現頻度を調べ,液柱の形状比とモード波数との関係は,低マランゴニ数の場合と同一であることを見出した.振動解析にウェーブレット変換を用い,マランゴニ数が10^4の乱流域においては,近い周波数を有する複数の振動モードが立つバンド構造となっており,そのモード波数は軸対称流が不安定化した直後に現れるものを基本として,これを維持していることを見出した.また,この周波数バンドは間欠的に出現するものであることを解明できた. 一方,低流レイノルズ数(マランゴニ数)領域について,部分的に開口部のある液柱構造について数値シミュレーションから,その挙動を解明した.液柱全体の高さ,開口部長さと液柱高さとの比,開口部の部位(高温側か低温側か)をパラメータとして,線形安定解析およびエネルギー解析を実施した.その結果,不安定化のメカニズムとして,楕円不安定性と遠心力安定性の2つのメカニズムがある.液柱の高さが低くなるほど,また,開口部が高温域にある場合ほど,主セルの形状が真円に近くなり,楕円不安性が生じにくくなり,結果として競合する遠心力不安性が支配的になることを発見した.開口部が高温側にある場合には,軸対称定常流から非軸対称振動流に直接遷移する場合があること,さらに,低温部に開口部がある場合には,流れのパターンはハーフゾーンとほぼ同一であり,ハーフゾーン液柱構造においてマランゴニ数を小さくする手段として利用可能であることを明らかにした.
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