配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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研究概要 |
筆者は,直径3nm程度の均一な細孔からなるメソポーラスアルミナmesoAl_2O_3に酸化レニウムを担持した触媒が,無秩序の細孔からなる通常のγ-Al_2O_3に担持したものに比べ単純オレフィンに対するメタセシス活性が高くなることを見出した.しかし,この触媒は極性官能基を有するオレフィンに対しては,全く触媒活性を示さなかった.一方,メチルトリオキソレニウム(CH_3ReO_3;MTO)は,単独ではオレフィンのメタセシス活性を示さないが,酸性担体であるシリカ・アルミナ(SiO_2-Al_2O_3)に担持すると,官能基を分子内にもつオレフィンにも適用できるメタセシス触媒になることが知られている.そこで,反応物の細孔内拡散が有利となるメソ細孔構造をもつメソポーラスシリカやメソポーラスアルミナに種々の手法で酸性質を付与し,この担体とMTOの組合せによる新規不均一系メタセシス触媒の開発を試みた.具体的には,他金属イオンを部分的に酸化物骨格内に導入して固体酸性を付与したメソポーラス担体にMTOを担持して,エステルやケトン基などの官能基を持つオレフィンに対してメタセシス活性を調べたところ,官能基化されたオレフィンに対してもメタセシス活性を示すことを見出した.固体酸性の強弱,性質に応じて,触媒活性が大幅に変わることから,さらに緻密に酸性質を制御することで,実用的な不均一系メタセシス触媒の実現が可能となると考えられる.また,メソ細孔構造に基づいた分子箭い作用も可能であり,従来の均一系メタセシス触媒には見られない触媒特性も期待される.
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