配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
異なる触媒を一体化して,複合反応場を作ることによって,触媒機能の協同効果および反応分離効果の同時実現が可能になり,斬新な触媒反応空間を創出できる。本研究では,触媒粒子表面にゼオライト膜を生成させ,卵型の構造を持つカプセル型の触媒反応場の設計を行った。この触媒は,コアである触媒と表面のゼオライト触媒膜に別々の反応及びin situ分離効果を持つ。 合成ガスは,COとH_2の混合ガスであり,適当な触媒を用いて,液体燃料に変換することが出来る。合成ガスは,石油以外の有機資源から作ることが出来るため,液体燃料は石油代替効果が非常に高い。本研究では,一段階のフィッシャートロプシュ合成(FTS)でガソリン製造用に,H-ZSM-5/Co/SiO_2とH-Beta/Co/SiO_2カプセル触媒を,ジメチルエーテル(DME)の直接合成用にH-ZSM-5/Cu-ZnO型のカプセル触媒の調製を行い,カプセル触媒の合成方法の確立を目的とした。カプセル触媒では,合成ガスは,ゼオライト膜を透過して,コア部分のFTS触媒若しくはメタノール合成触媒に到達し,直鎖炭化水素若しくはメタノールが生成する。生成した直鎖炭化水素,メタノールはゼオライト膜を透過する際に,ゼオライトの酸点で異性化,水素化分解反応若しくは脱水反応を受け,目的とする生成物が生成する。 カプセル触媒の調製は,コアの触媒を被毒させない試薬を用い,水熱合成で行った。調製したカプセル触媒の性能を確かめるため,H-ZSM-5/Co/SiO_2とH-Beta/Co/SiO_2カプセル触媒で,FTS反応を行ったところ,目的とするガソリン留分に相当する軽質分枝炭化水素が生成した。このことから調製したカプセル触媒は,目的とする性能を備えていることが明らかになった。 今回の触媒開発により,2種以上の機能を持つカプセル触媒の開発に成功した。
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