配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
電気推進機の1つであるホール型推進機は他の電気推進機と比べて比推力,推進効率が高く,推力密度も大きく,コンパクトかつ高性能の推進機として小型衛星への使用が期待されている.このような背景から,ホール型推進機を小型・低電力する試みは各所で行われてきた.本研究は,新しいタイプの円形断面放電室をもつホール型推進機の推進剤の電離・加速過程を明らかにし,低電力域においても高い性能を発揮できる推進機の開発を目的としたものである. まず円形断面放電室をもつホール型推進機の磁場分布による推進性能の変化が調べられた.そめ結果,下流領域において中心軸から半径方向に離れるに従って半径方向磁束密度が単調に増加するような磁場分布を形成することが推進効率の向上につながることを明らかにした. 次に、推進性能に大きな影響を及ぼす放電室内の電離・加速領域を把握することを目的とし,静電ダブルプローブを用いて放電室内の電子温度,電子数密度分布,プラズマ電位の測定を行った。その結果,陽極近傍において大きな電子温度及びプラズマ電位勾配が観測され,この領域で推進剤の電離とイオンの加速が行われていることが推測された。またこの領域には大きな半径方向磁束密度が存在していることから,電離・加速領域は半径方向磁束密度のピークが存在している箇所に形成されると推測した. さらに、リング状永久磁石を用いて下流側に半径方向磁場のピークを形成することによって電離・加速領域を下流側に形成し,壁面へのイオン損失の低減を試みた.その結果,半径方向磁場のピーク位置によって推進性能が変化し,推進性能の面で最適なピーク位置があることを明らかにした.リング状磁石を用いた小型ホール型推進機では35-130Wの電力域で18-39%の推進効率が得られ,世界各国の研究機関のホール型推進機と比べても高い推進効率が得られた.
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