配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
本研究は宇宙航空機用推進機関として高性能が期待される,デトネーション推進のシステムが成立するための基本的要素の課題を解決することを目的として行われた。特に実現性の高いパルス・デトネーション・エンジン(PDE)について,燃焼室本体だけでなく吸気系,排気系も含めて各要素の基礎特性を明らかにして,エンジン開発に向けてのデータを準備することが計画された。そのため,まず実験装置が設計・製作された。(1)長時間運転できる水冷式PDEに補機としてのタービンと組み合わせたシステム,(2)排気圧を維持でき,大推力を発生できる多気筒エンジン・システム,及び,(3)プレ・デトネーターによる主燃焼室での確実な起爆技術を確立するためにデトネーション実験装置が,主要な実験装置として製作された。(1)の装置では,燃焼室等の冷却による損失量,タービンの出力などを測定し,評価することが出来た。(2)の装置では100Hz以上の高周波数運転を行い,気筒間の干渉に関するデータなどを得た。またさらに高周波数の運転のためのバルブレスの可能性に関するデータを得ることが出来た。(3)の実験装置では,種々の混合気のデトネーション特性に関するデータを得た。さらに,プレ・デトネーターのように,細い管から太い管へ,しかも起爆しにくい混合気中へのデトネーシヨンの伝播特性を調べ支配パラメーターを特定した。またさらに純酸素など特殊な酸化剤又は燃料用いないで起爆するための技術を得るための種々の実験を行った。理論的研究・数値解析による研究も進めた。PDEの性能の理論的解析を行ない,その高いポテンシャルを明らかにした。数値解析では,特に排気干渉について検討できるようなデータを得た。さらにデトネーション共鳴による超高周波PDEの可能性と特性について調べることが出来た。最初の計画に比べ,吸気系の研究が不十分であったが,他は進展して,開発の直前にまでこぎ着けることが出来た。
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