配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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研究概要 |
直径3.2ミリメートルのアルミニウム合金球を毎秒100-800メートルの範囲で,炭素繊維強化プラスチックを表皮とするアルミニウムハニカムパネルに接着した太陽電池セル単体に衝突させ,太陽電池セルに生じた衝突痕と粒子衝突速度の相関関係を調査した.その結果,以下の手順で,粒子の大きさ,入射角,衝突速度を推定できることが分かった. 1)衝突痕周囲のき裂の本数から粒子の衝突速度を推定する, 2)1)で推定された粒子の衝突速度から損傷面積と飛翔体断面積の比を推定する. 3)衝突痕の輪郭を楕円近似した際の短軸の実測値と,2)で推定された損傷面積と飛翔体断面積の比から粒子のサイズを推定する. 4)衝突痕の輪郭を楕円近似した際の短・長軸の実測値から粒子の入射角を推定する. 一方,衛星本体側にカメラを取り付けてパドルを観測する際は,カメラの視野範囲に制限が生じる可能性が考えられた.そこでカメラによる観測を補助するために,デブリ衝突位置,時刻の同定を目的とした音響(AE)センサの使用を検討した.そしてその基礎検討実験として,今回は2個のAEセンサを取り付けたCFRPハニカムパネルへ衝突実験を行い,2つのAEセンサを結ぶ線分(長さ330ミリ)上へ衝突した位置を算出した.そして位置精度誤差が±約19ミリという結果が得られ,同センサを用いて衝突の起きた太陽電池セルを同定することは十分可能であることが判明した. 以上のことから,AEセンサによって観測される振動波形から衝突位置,時刻を得,次に,カメラの撮影画像から,衝突物の寸法,衝突速度,衝突角度といった情報を得る,といったAEセンサとカメラを用いた複合観測システムの妥当性を示した.また,今後は衛星搭載カメラと太陽電池パドルに組み込んだAEセンサを複合的に用いた複合カメラ観測システム,もしくは観測カメラ,AEセンサなどの観測機器を全てパドルに組み込んだ,観測機能つき太陽電池パドルの2つの設計方針が立案できた.
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