研究概要 |
1.最適な軽量繊維質固化処理土工法に関する検討 (1),様々な建設現場における汚泥をサンプリングし,泥土の物性を把握するとともに,軽量繊維質固化処理土を生成するための古紙・添加剤等の最適配合条件について検討した. (2),生成した軽量繊維質固化処理土をピットの様々な位置からランダムにサンプリングし,処理土を作成した.その処理土を用いて薄片を作成し,古紙の分布量から攪拌の均質性を実験的に調べた結果,十分に攪拌を行えば,処理土の強度特性に及ぼす攪拌ムラの影響は少ないことが確かめられた. 2.繊維質固化処理土の耐久性・劣化特性に関する検討 (1),繊維質固化処理土を用いて乾湿繰り返し試験を実施した結果,繊維質固化処理土は,乾湿繰り返しに対して高い耐久性を示すことが確かめられた. (2),寒冷地での軽量繊維質固化処理土の使用を目的として,凍結融解実験を実施し,処理土の耐久性について検討した.その結果,繊維質固化処理土は凍結融解の影響を受けず,高耐久性であることが確認された. 3.軽量盛土材としての利用に関する研究 生成される繊維質固化処理土の密度および含水比を推定するための理論式を導出し,処理土の再利用システムを提案した.また処理土を裏込め材として利用した場合の経済効果について試算した結果,従来工法よりもコストが安くなることが確認された. 4.ペーパースラッジの有効利用に関する研究 ペーパースラッジを利用すると,古紙の添加量を従来の値の半分にまで削減でき,施工コストも大幅に削減できることが確かめられた. 5.植生基盤材としての性能評価 生成される処理土は極めて軽量であることから,人工軽量植生基盤材としての活用が考えられる.そこで,屋上緑化用植生基盤材の作成を目指し,処理土の軽量性および保水性について実験的に検討した.その結果,繊維質固化処理土は市販の人工軽量土壌に比べて軽量性および保水性ともに優れていることを確認した.
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