研究課題/領域番号 |
16370057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
的崎 尚 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (80252782)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2005年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | 細胞間シグナル伝達 / SHPS-1 / CD47 / 神経突起伸長 / マクロファージ機能 / 赤血球 / 貧食 / 貪食 / 細胞骨格 / SIRPβ / Ectodomain shedding / 細胞運動 |
研究概要 |
私共は、これまで蛋白質チロシンリン酸化を介する細胞内シグナル伝達系に関する研究を継続してきているが、その過程において、全く新たな細胞間シグナル伝達システムであるCD47-SHPS-1系を見出している。本研究では、このCD47-SHPS-1系の生理機能と作用機構に関し検討を行った。その成果を以下に、列記する。 (1)SHPS-1KOマウスを解析した結果、脾臓マクロファージ上のSHPS-1分子は赤血球上のCD47分子と相互作用し赤血球の貧食を抑制することによって、赤血球の寿命、末梢赤血球数などを制御していることが示唆された。CD47-SHPS-1シグナル系を標的とする薬剤は、マクロファージ機能を制御することにより、血液疾患の新たな治療薬となる可能性が考えられる。 (2)SHPS-1のファミリー分子であるSIRPβはDAP-12-Syk-SLP-76という一連の分子のチロシンリン酸化を誘導し、RAS/MEK/MAPキナーゼカスケードの活性化を介しマクロファージによる貧食を亢進させることを見出した。 (3)神経芽腫由来細胞において、CD47の強制発現により突起伸長が刺激された。この効果は可溶性SHPS-1-Fcの存在下で増強すると共に、著明なfilopodia形成が誘導された。CD47はSHPS-1結合によりインテグリンやCdc42/Racを介して細胞骨格系を正に制御することが示唆された。さらに、CD47KOマウスの海馬神経細胞では、神経突起伸長が抑制されていた。CD47の作用は、Srcおよびそれにより活性化されるRac/Cdc42を介していることが示唆された。 (4)SHPS-1は細胞外刺激依存性にEctodomain sheddingを受け、これがリゾホスファチジン酸など生理的リガンドにより刺激されることを示した。このEctodomain sheddingはSHPS-1による細胞運動の制御に関与していることが示唆された。 このように、私共は、本研究の予定をほぼ達成することができた。
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