配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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研究概要 |
バクテリアべん毛モーターは直径が高々40nmの回転モーターであり,バクテリアの運動機関として知られている.その原動力は,細胞内外のイオン濃度差であり,種により,プロトン,ナトリウムが用いられる.我々はこれら2種類のキメラ菌体を作成した.このキメラ菌体は,回転計測に適しており,回転機構の解明に重要な役割を果たす.我々はこのキメラ菌体を用いて,初めてステップ状変異の計測に成功した(Nature, 2005).しかしながら,まだこのキメラ菌体の基本的な性質については,まだ確認していない.そこで,我々はこのキメラ菌体の基本的な性質を明らかにすることを試みた.その結果,キメラ菌体のトルク-速度関係は元となる二つのモーターと同様の回転-トルク特性を持つことがわかった.さらに,固定子の発現量を調整することにより,固定子のモーターへの組み込みとともに回転速度が段階的に上昇することを観察できた.さらに,1個の固定子による回転-トルク特性を明らかにすることができた. また,バクテリア菌体内における情報のやりとり,モーター複合体の構築状況,モーターの回転の様子を明らかにするためには,菌体内の分子のイメージング技術が必須となる.菌体内のイメージングに関しては,従来のイメージング技術に比べて,菌体の小ささ,さらには菌体が俵型をしていることからの光学的という問題がある.我々はエバネッセント照明を最適化し,バクテリア菌体内のGFP融合タンパクのイメージングを試みた.その結果,モーター構成タンパクの一つであるFliGとGFPの融合タンパクが菌体内を拡散運動している様子を観察することに成功した.さらに,蛍光輝点の重心解析により,拡散定数を見積もることに成功した.また,テザードセル法を導入することで菌体の回転中心とFliG-GFP融合タンパクとの輝点が一致することを明らかにすることができた.
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