研究課題/領域番号 |
16370074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
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研究分担者 |
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
山崎 洋一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40332770)
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (20311128)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2005年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2004年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | イェロープロテイン / アミノ酸配列単純化 / 円偏光二色性 / 構造機能相関 / アミロイド / 色素タンパク質 / PASファミリー / βスキャフォールド / 色素蛋白質 |
研究概要 |
以下に示す単純なルールにより、イェロープロテインのアミノ酸配列の単純化を行った。1)疎水性残基はVal、2)親水性残基はSer、3)芳香族残基はPhe、4)酸性残基はAsp、5)塩基性残基はLysへそれぞれ置換する。6)Gly、Pro、Cys、開始部位のMetは残す。これにより、9種類のアミノ酸のみで構成された単純化PYP(sPYP0)を作成し、大腸菌による大量発現、精製を行った。その二次構造は野生型と大きく異なり、発色団再構成能も失っていた。そこで、ルールの緩和を以下のように行った。I)相同蛋白質に保存されている残基を置換しない(sPYPI)、II)Iに加えて、疎水性残基を置換しない(sPYPII)、III)Iに加えて親水性残基を置換しない(sPYPIII)。これらの単純化PYPも、大腸菌で大量発現、精製することができた。二次構造は野生型と異なり、発色団再構成能も失っていた。さらに、sPYPI、sPYPII、sPYPIIIの間で、二次構造はそれぞれ異なっている。これらの結果は、単純化した部分に二次構造要素を決定する領域があることを示唆している。 TFE存在下での二次構造を調べたところ、sPYPIIIのみが、野生型PYPと同様のαヘリックス形成傾向を示したが、他の単純化PYPは、TFEの持つαヘリックス形成傾向を示さなかった。そこで、sPYPIIIと野生型との間でキメラを作成した。βスキャフォールド領域の単純化は、PYPの構造形成を阻害することが示された。また、発色団結合ループは単純化できるが、光反応に影響を与えた。βスキャフォールド領域以外の領域を単純化したPYPは構造を形成し、発色団を再構成できた。PYPのように100残基を越えるタンパク質について、部分的単純化に成功した最初の例である。 βスキャフォールド領域において、構造形成に寄与する五つの疎水性アミノ酸残基が同定された。また、sPYPIIは、アミロイド繊維を形成することがわかった。単純化は、アミロイド形成機構の研究にも役立つことが示された。
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