研究課題/領域番号 |
16370093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 (2005) 技術研究組合生物分子工学研究所 (2004) |
研究代表者 |
岡崎 賢二 京都大学, 大学院・理学研究科, 研究員(科学研究) (50211115)
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研究分担者 |
青田 伸一 大阪大学, 生命機能研究科, 特任研究員 (50192456)
坂本 るり子 技術研究組合生物分子工学研究所, 分子機能研究部, 研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2005年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2004年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 細胞分化 / Pax6 / 活性調節 / ペアード・ドメイン / LE_9 / 転写因子のリン酸化 / 蛋白質リン酸化 / 細胞生物学 / 遺伝子発現 / プラコード / 転写因子 / LE9 |
研究概要 |
Pax6蛋白質が直接に結合する標的DNA断片の一つであり、pax6遺伝子の頭部外胚葉特異的エンハンサー内に存在してpax6発現のオートレギュレーションを担うLE9配列を用いることで、Pax6蛋白質のリン酸化による活性調節機構を解析した。LE9に対するPax6の作用はERK1/2あるいはp38MAPKにより顕著に上昇することを明らかにした。また、カルボキシ末端側のドメイン中に四か所のリン酸化部位を同定し、その三か所がin vitroでp38MAPKにより直接リン酸化を受けることが判明した。さらに、このうち一つのSerをAlaに変異させると、キナーゼ経路の活性化に対する転写促進の応答性が有意に抑制されることも分かった。Pax6のリン酸化はそれだけでは蛋白質の安定性に影響を与えなかったことから、リン酸化部位は他の因子との相互作用を介してLE9の転写活性化に寄与すると考えられる。 また、このリン酸化残基をを含むアミノ酸配列に結合する特異的モノクローナル抗体を作成することで、生体におけるPax6のリン酸化パターンを解析することができるようになった。増殖シグナルによって核内のPax6のリン酸化が亢進することから、in vivoにおいてもERK経路の重要性が支持されるが、比較的長期にリン酸化状態が保たれるため、他のキナーゼの関与も考慮すべきであることが示唆された。 このような結果から、Pax6の機能がC末端残基のリン酸化によって調節を受けていること、その制御にはMAPキナーゼ経路が関与していることが明らかとなった。LE9エンハンサーが実際に機能していることが予測される眼の分化過程において、リン酸化のシグナルを送るメカニズムの解明が今後の重要な課題になると思われる。
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