研究課題
基盤研究(B)
本研究ではもっとも原始的であると考えられる刺胞動物ヒドラの神経系形成を解析し、神経系進化を考察することを目的とした。その結果以下の成果を得た。(1)ヒドラの神経系は神経ペプチド遺伝子の発現パターン解析からいくつもの小集団に分かれ、それらの小集団のいくつかは体軸に沿って顕著な区画を形成することを明らかにした。神経ペプチドHym-176を特異的に発現する神経集団は足部で区画を形成するが、その形成には2つの機構を併用していることが分かった。即ち、前駆体からの新たな分化と区画直上の他の区画の神経からの形質転換(phenotypic conversion)である。(2)区画の生成には位置情報が関わると結論した。位置情報を変化させることが知られている薬剤、alsterpaullone(ALP)とLiCl(ともにwntシグナルの一員であるGSK3βの阻害剤であることが知られている)処理個体で神経区画の著しい変化が見られた。このことから、ヒドラ神経の区画化には少なくともwntシグナル系が関与していると考えられる。(3)ヒドラ神経ペプチド遺伝子のプロモーターにドライブされたGFPを発現するトランスジェニックヒドラをはじめて作成した。このヒドラをALP処理すると、期待通り神経区画の変化がin vivoで見られた。(4)新規神経ペプチド及びその遺伝子の同定。ヒドラペプチドプロジェクトで得た2つのペプチドをコードする遺伝子を同定し、その発現が神経の小集団に限定されることを見出した。また、TOF-mass分析から2つの神経ペプチドともC-末端がアミド化されていることが分かり、それぞれFRamide A,FRamide Bと命名。前者はヒドラの外胚葉上皮筋を、後者は内胚葉上皮筋をそれぞれ収縮させる活性を示した。更に、RFamideをC-末端にもつ新たな神経ペプチド遺伝子を同定した。
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