配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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研究概要 |
本研究では,世界中で東アジアにのみ分布するオオムギ半矮性系統'渦'について,(1)渦系統の系統分化,(2)子葉鞘の突起およびdm型節間伸長等の渦性特異的な形態特性の多様性,および(3)渦系統の再分化特性の多様性について,分子マーカーを使った系統解析や,渦系統特異的な表現型の遺伝解析・生理解析等を実施し,渦性変異の起源に関する分子レベルの知見を得ると共に,渦系統が持つ形態的・生理的多様性に関わる遺伝子座の検出を目的とする.(1)〜(3)について,次のような解析を実施した. (1)野生オオムギを含む282系統の世界中から収集された在来オオムギ系統を,農業生態型に基づく10の地域集団に分類し,5つの遺伝子内の配列を用いてハプロタイプ解析を行い,栽培オオムギの地理的分化をゲノムレベルで詳細に調査し,栽培オオムギの成立が多起源であることが裏付けられ,また渦性品種の成立が極東アジアにおける単-起源であることが示唆された. (2)渦性オオムギに特異的な形態形質の一つである温度依存的に生じる子葉鞘の突起状の構造について,詳細な形態観察,渦性オオムギの品種変異の評価および遺伝解析を行った.渦性品種266系統の品種変異および5つのF_2集団における突起形成頻度の分離を調査した結果,突起の形成頻度は,渦性品種間内に広い遺伝的多様性を有する形質であることが示された.ダイアレル分析の結果から,この形質を支配する遺伝子は,複数の相加的作用を持つと推定された. (3)遺伝的背景が異なる複数の同質遺伝子系統を用いて,子葉鞘の突起形成に対する外生のオーキシン及びサイトカイニンの効果を調査した.また,異所的細胞分裂に関わるホメオティック遺伝子の子葉鞘における発現を解析した.
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