配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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研究概要 |
1.質感を広義の花色ととらえることにより,色素による色彩に加えて花の観賞性を多様に表現できる. 2.花弁の質感は,表皮細胞の形状と花弁内部の構造によって決まる. 3.光源から花弁への入射光は,表皮細胞の表面反射光,内部散乱光,および透過光に分けられる.質感は目に入る花弁からの表面反射光と内部散乱光の比率によって決まる. 4.ベルベット光沢の実体は表皮細胞表面のハイライトであった,このハイライトが光沢として認知されるためには,表皮細胞が高濃度に色素を持つこと,ならびに人間の目の分解能(視力1.0で約300dpi)に応じて認知できる下限程度の大きさを持つ必要があった.光源に対する花弁の傾斜角度のよって光沢が変化するのはこのためである. 5.金属光沢は,表面反射光と内部散乱光の組み合わせによって生じる.色素によって光が吸収され暗くなった背景に表面反射光および内部散乱光によって生じるハイライトが,目の分解能下限程度の大きさで生じるとき,人間の目には金属光沢の質感として認知されることが分かった. 6.ダイアモンドダストの実体は,内部散乱光による強く大きなハイライトであった. 7.質感を認知するメカニズムについては脳科学の分野においても研究例が少なく,今後の研究課題と考えられた. 8.表皮細胞表面に存在するstriation(筋状微細構造)は花弁内部への光の透過量を増やし(すなわち,表面反射光を減らし),質感として深み感を高めることが明らかになった.
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