配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2004年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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研究概要 |
腐植物質は地球表層環境中に普遍的に存在する最も主要な有機態炭素である。本研究ではその重要性を啓蒙するため,実体を視覚的にアピールできるモデルの構築を目的とした。腐植物質の解析は多様性と多分散性の両側面からおこなった。多様性については起源物質や生成環境の異なる多種多数の試料を用意し,また,多分散性については各種分画法で細分画して多分散性を減少させた試料を調製し,それらの化学構造解析から,多分散性と多様性を包括した構造モデルを提示した。得られた成果を列記する。 1)起源物質や生成環境の異なる多種多様な試料を取得し,土壌腐植83試料,河川・湖沼腐植75試料,土壌水溶性腐植13試料,堆肥その他の腐植11試料を厳選し,これらの基本分析(NMR,元素分析,HPSECなど)データベースを構築した。 2)土壌のA層腐植酸は土壌型で,河川湖沼腐植物質は有色/比有色で特性が大きく異なった。土壌水溶性腐植物質はO間層で差異がなく,A層間で土壌腐植酸に類似することが明らかになった。 3)データベースを元に構造特性に基づいた腐植物質の類型化が達成できた。これをもとに,グループ間の異同に応じた構造モデルイメージ図を提示した。 4)多分散性を減少させた試料として,類型化した土壌腐植酸4グループの典型試料を選定し,各試料についてpH別逐次抽出分画,分取HPSECによる細分画をおこなった。これによって分散度のより小さな試料を64試料得た。その分析結果から各土壌腐植酸における分子サイズの違いに伴う構造特性の違いが明らかになった。 5)分画試料の異同性と4)の多様性による異同性の両者の知見を総合し,多様性と多分散性を包括した構造モデルイメージ図を提示した。
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