研究分担者 |
藤山 英保 鳥取大学, 農学部, 教授 (90108796)
北村 義信 鳥取大学, 農学部, 教授 (80284008)
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
山本 定博 鳥取大学, 農学部, 助教授 (30200801)
山田 智 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80294346)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
乾燥地の永続的な乾燥地農業を確立するために,土壌塩類化の実態と要因解析,土壌塩類化の危険性診断法の開発,塩類土壌の利用と修復に関する検討を行った. (1)メキシコ,南バハカリフォルニア州の灌漑農業地帯では灌漑水(主に地下水),土壌の塩類化が進行し,地域によつては状況は非常に深刻であった.灌漑農地の塩類化は,灌漑水の水質と灌漑水量(塩の付加に関係),下層土の土性(塩のリーチングに関連)で説明された.多くの過剰な灌漑が塩類化を深刻化しており,灌漑管理の適正化,すなわち節水が重要な意味を持つことを明らかにした.節水灌漑は,結果として,水位と水質の回復も期待され,最終的に土壌塩性化のリスク軽減につながると結論づけた. (2)灌漑農地の土壌塩類化危険性の簡便な評価方法を開発した.塩類化に関連する諸因子を点数化し,合計点数を土壌塩類化の危険性として表すもので,土壌塩類化の状態と原因の科学的総合評価を可能にした. (3)地表流出水を巧みに利用する洪水利用農法の持続可能性の高さを検証した.乾燥地における浮遊土砂を含む地表流出水の農業利用は,最も大きな制限要因となる水の貯留と浮遊土砂の堆積による土壌肥沃度改善の効果とともに,塩類土壌においてはリーチング効果も有するため,極めて有用な方法であった. (4)耐塩性,耐乾性の強いコキアは,塩性度の高い灌漑水や土壌でも良好な生育を維持し,塩害の進行する乾燥地域において有望な飼料作物なりうることが明らかになった.ファイトレメディエーションで有望な植物であるアッケシソウについて,高濃度NaCl存在下での発芽から幼植物のステージにおける伸長成長の仕組みが明らかになった. (5)有機物資材はカルシウムの溶解を促し,とくに植物残渣のような新鮮有機物と硫黄華の併用は土壌溶液中のCa濃度を最も効果的に高め,ソーダ質土壌の改善という有機物資材の多面的土壌改善機能の新たな一面が明らかになった,
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