配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 600千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
研究概要 |
本研究は、わが国の森林動態に重要な役割を占めていると考えられるササの一斉開花現象に注目し、一斉開花枯死後の群落回復過程におけるササのクローン動態を明らかにし,一斉枯死したササ群落の回復に何年を要するかを明らかにしようとするものである。本研究では、開花履歴が明らかにされている数カ所のチシマザサ個体群を対象として、分子生態学的手法を併用してササの個体としての動態記載を目的とした。調査対象個体群は(1)戸隠(長野県)チシマザサ1974年開花(2)八甲田(青森県)チシマザサ1979年開花(3)十和田(秋田県)チシマザサ1995年開花(4)大見(京都府)チュウゴクザサ2007年開花である。 1)マイクロサテライトマーカーの開発とDNA解析 ササ数種を対象として,マイクロサテライトマーカーの開発・改良を行い,上記対象個体群から得られたサンプルからのDNAを抽出し,クローン構造等の解析を行い,現在とりまとめ中である。 2)genetを単位としたデモグラフィー手法の開発 継続調査地での全稈サンプリングによるクローン分析を併用することにより,genetを単位とした個体群動態の追跡方法を開発し,発生後20数年を経た実生由来個体群でも完全に群落は回復しておらず,自己間引きが継続していることを明らかにした。 3)更新に伴うクローン構造の変化 チシマザサは巨大クローンを形成すること,発生後10年を経た実生由来個体群で,光条件とクローン構造に関連があり,好条件下にある成長の良いクローンが将来優占する可能性があることを明らかにした。
|