研究課題/領域番号 |
16380132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中井 敏博 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (60164117)
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研究分担者 |
植松 一眞 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (00116542)
冲中 泰 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (80363034)
森 広一郎 独立行政法人水産総合研究センター, 上浦栽培漁業センター, 技術開発官 (10426314)
菅谷 琢磨 独立行政法人水産総合研究センター, 上浦栽培漁業センター, 技術開発官 (30426316)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | ウイルス性神経壊死症 / ベータノダウイルス / Viral nervous necrosis / ウイルスの生態 / 分子疫学 / ウイルス進化 / リアソータントウイルス / PCR / 魚病 / 魚のウイルス病 / ウイルス生態 / Viral Nervous Necrosis(VNN) / 海産魚のウイルス病 / ウイルス汚染 / RT-PCR / Nested PCR |
研究概要 |
本研究では、増養殖魚のVNNにおける感染源としてのウイルス保有天然魚の重要性を明らかにすることを目的として、天然魚におけるベータノダウイルスの分布調査とその分子疫学的解析を行なった。平成16年度-18年度の3か年の研究期間において得られた結果は以下のように要約される。 1.ベータノダウイルス検出のための新規RT-PCRおよびnested PCR系の確立 不顕性感染魚からのベータノダウイルス(NNV)検出のために、PCR用のdegenerateプライマーを設計し、その有用性を明らかにした。 2.天然魚でのVNNの発生を確認 瀬戸内海での天然キジハタにおけるNNVの発生を確認し、分離NNVのRNA2塩基配列は、養殖病魚由来のRGNNVのそれと99%以上一致することを明らかにした。 3.増養殖施設近辺で採捕された天然魚からのウイルス検出 海産魚の増養殖が行なわれている海域に生息する天然魚は、従来の病魚由来のウイルスに遺伝的に極めて類似し、かつ細胞感染性および病原性を有するRGNNVを高率に保有していることを明らかにした。 4.日本近海で採捕された天然魚からのウイルス検出 増養殖海域の天然魚のみならず、日本近海に生息する天然魚はNNVを高率に保有していることを明らかにし、特に、ウイルスを保有する餌料用魚介類の存在の重要性を指摘した。 5.東シナ海で採捕された天然魚仔稚魚からのウイルス検出 日本近海への天然魚の主要な補給源とされている東シナ海において採取した仔稚魚を検査した結果、RGNNV以外にSJNNV、BFNNVが検出された。 6.ベータノダウイルスの分子疫学的および進化学的解析 上記で得られたNNV株のRNA1およびRNA2について解析した結果、病魚由来に比べ天然魚由来NNVはRNA1とRNA2の組み替えを含め遺伝的多様性が高いことが明らかになった。これらの結果は、増養殖における本病の防除を考える上で極めて重要な知見である。
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