配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
本研究では,流域水循環における灌漑排水利用とその管理の役割を分かりやすく表現し,客観的に評価することができ,実態・変化の評価と改善方向を明確化できる灌漑排水パフォーマンスモデルの開発を目的とした.このモデルは,現況の灌漑農業地域における作付け体系毎の圃場レベル水収支と,用排水システムの地表水の流動と,地下水を含む灌漑範囲全体の水収支をリンクさせた概念的水収支モデルである.また,農家と用水管理組織の管理操作を組み込み,作付け体系・圃場水管理や送配水管理の変化が水収支に及ぼす影響を表現できるものを目指した.本研究では,水量の表現・評価に限定し,将来的に水質(とくに塩分)モジュールの組み込みが可能となるものとした. この基本的な考え方に従い,「灌漑管理実効評価モデル」(Irrigation Management Performance Assessment Model : IMPAM)を開発し,各地に適用しながら改良を加えて,以下のような実態の表現・評価と変化の予測が可能となるモデルとした. 1.モデルは,灌漑地域の水収支の構造や各要素の水量が,流域の水循環(水源地域の貯水や河川流量,地域の地下水流動や河川流量)に及ぼす影響を表現・評価する. 2.灌漑地域の水収支構造を表現した上で,その課題や変化の可能性を分析・評価できる.とくに,作付け体系や水管理操作の変化の水収支への影響に重点を置き,灌漑排水管理のパフォーマンスを総体として表現する. 3.モデルのサブ・モジュールは既存の個別モデルを簡略化して組み込み,過去の知見・記録資料を目的に従って再編成し,有効に活用する. この最終的に開発・改良できた「灌漑管理実効評価モデル」(IMPAM)を,トルコ・セイハン川下流の灌漑地区を中心に,中国・黄河流域河套灌区などの灌漑地区に適用して,水収支構造を分析し,気候や管理の変化による影響を定量的に評価した.
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