研究分担者 |
石下 真人 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70221067)
福島 道広 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20231558)
佐藤 禎棯 (佐藤 禎稔) 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90142794)
口田 圭吾 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50271747)
島田 謙一郎 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (80301969)
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研究概要 |
牛枝肉の表面に存在する脳脊髄組織を効率的に除去し,さらに牛肉の品質に影響を与えない洗浄方法を開発するために装置および洗浄剤の検討を行った.先ず市販食肉製品等を対象として脳組織の存否についてグリア線維細胞酸性タンパク質(GFAP)を指標とするELISA法を用いて行った.その結果,市販品にはほとんど陽性反応は認められなかったが,豚,エゾシカおよび牛ともに,僅かに頸部の汚染が検出された.GFAPはグリアに豊富に存在し他細胞にはほとんど認められないので脳脊髄組織の良い指標であるが,挽肉に混入させて電気泳動で分析すると分解・減少することが判明し,さらに効果的な指標を見出すことが重要であると考えられた.実験室レベルの洗浄実験から有機酸,特に乳酸が食肉表面の脳脊髄組織の除去に効果的であるが,高濃度で用いると洗浄効果が低下し,さらに食肉の色調を褪色させた.至適濃度は0.5-1.0%であった.今回,試作した洗浄装置は,洗浄液を上・中・下部,それぞれ独立に噴射でき,洗液が壁面から跳ね返ることを防止するために壁面にルーバー構造を付した.さらに,洗浄圧力可変,洗液交換可とした(洗液タンクを上・中・下部にそれぞれ独立に準備).また,洗液量や圧力の再現性を考慮して枝肉を回転させて洗浄する方式を採用した.なお,牛枝肉は高価であり洗浄装置も巨大化するために設計当初から豚枝肉を想定して試作した.ノズル8002(吐出量1.4L/min),圧力0.98MPa以上,散布距離70cm以内の条件では30秒以内の洗浄で十分に脳組織の除去が可能であった.さらに,圧力を低下させた実験から1%乳酸を用いて最後に下端部の洗浄を行うと効果的であることが判明した.
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