研究課題/領域番号 |
16380183
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
宮本 明夫 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, 教授 (10192767)
|
研究分担者 |
松井 基純 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20374762)
手塚 雅文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40311526)
清水 隆 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, 助手 (90375113)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
キーワード | ウシ / 黄体 / 血管再生 / 血流 / 退行 / 一酸化窒素 / PGF2α / 血管内皮細胞 / 血管 / 遺伝子 / 細胞間コミュニケーション / 細胞・組織 / 応用動物 / 生理活性 / 畜産学 / 血管新生 / プロジェステロン / カラードップラー / 血管作動性物質 / 乳牛 |
研究概要 |
本研究は乳牛における黄体形成と黄体退行の2つの現象を血管新生・退縮と血管トーヌスの観点から生体、組織、細胞、遺伝子レベルで複数のモデルを駆使して検証し、以下の成果を得た。 1.血管新生因子であるVEGFあるいはbFGF抗体を排卵直後から黄体に投与し続けると、血管新生を抑制し、血中のP濃度の増加も抑制された。両因子の抗体は血管新生とP合成関連遺伝子群を抑制し、結果として黄体形成を強く抑えることが示された。さらに、卵胞と黄体の「生」には血流供給と血管新生が、「死」には血流消失と血管退縮が必ず起きていることにこれらの因子群が直接関係することが示された。 2.発見した「黄体の自然退行の先立って黄体周辺部の血流が必ず増加する」現象について、詳細な解析を進めた。仮定したとおり、黄体周辺部の大型血管の内側の血管内皮細胞がPGF受容体を持ち、PGF2αを直接受容してNO合成酵素が増加し活性化され、NOが放出されることで、局部の血管が弛緩し、血流増加が起きることが明らかになった。これは、PGF2α投与して1時間後の黄体の血流が劇的に増加したウシから得た黄体組織の免疫組織化学的解析、関連遺伝子の定量、生体レベルでNO供与体を黄体内に直接投与して血流増加を再現し、退行を引き起こしたこと、そして、NO合成酵素抑制剤を黄体内に投与して、PGF2αの引き起こす血流増加をブロックし、黄体退行の進行を遅らせたことなどの証拠に基づく。 3.黄体退行時に起きる黄体周辺部の血流増加とP合成の激減を、黄体内の血管内皮細胞、平滑筋細胞、黄体細胞などから分泌放出されるNO等の血管作動性因子に着目して、これら3種の細胞の組み合わせの混合培養系を用いてPGF2αの効果を調べたところ、血管作動性因子の分泌の中心である血管内皮細胞は、黄体細胞との細胞間伝達によってPGF2αへの反応性を獲得していることが示唆された。
|