研究課題/領域番号 |
16380212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三角 一浩 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10291551)
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研究分担者 |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60305167)
上村 亮三 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 助教授 (30253884)
瀬戸山 健太郎 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 助手 (00372805)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 関節症 / 細胞外マトリックス / 診断マーカー / 軟骨 / 尿 / 運動 / 滑膜 / リウマチ |
研究概要 |
1.軟骨損傷や変性があると、滑液中のCOMP値が上昇し、分子の小断片化が進む 馬軟骨由来COMPに対するモノクローナル抗体14G4は、COMP合成よりむしろ分解の検出に役立ち、滑液中COMP値とその断片化解析の組み合わせによって馬における軟骨破壊を診断できることを明らかにした。抗体14G4は尿中のCOMP断片を検出できること、馬のみならず犬、人、実験小動物のCOMPに交差することも示した。 2.血清COMP値は、運動負荷によって変化し、トレーニング期の軟骨損傷の早期診断に役立つ 育成馬の血清COMP値は運動直後に上昇、5時間後ピークに達し、24時間以内に基線値に復した。運動前血清値(基線値)は運動能力の高まりと一致して上昇するが、運動負荷後上昇率に差はなかった。運動は関節軟骨→滑液→血液へのCOMP分子の移動を促すだけでなく、トレーニングは安静時の軟骨基質代謝回転を高めることを示した。トレーニングによるCOMP代謝回転の高まりが、病的基質破壊につながる可能性がある。 3.馬のOAマーカーとしての尿中COMPの可能性 mAb14G4によるOA馬の尿中COMP値は正常と比較して高かった。関節内骨折例では、尿中COMP値の上昇は、滑液中COMP濃度と負の相関を、滑液中のゼラチナーゼ活性と正の相関を示した。骨折直後の急性期には滑液内における酵素活性が低く、基質から遊離した大型COMP分子は関節内に留まり、血液・尿に検出されにくい一方で、OA進行期(慢性期)では、関節内での酵素活性の高まりによってCOMPの小分子化が進み、血液へのCOMP移行が増え、尿中に多く検出されるようになると考えた。尿中COMP値は、OA関節での蛋白分解酵素活性の高まりを反映する指標として役立つ可能性があり、関節内骨折後の急性期には滑液中COMP濃度が高く、次第に低下する一方で、尿中濃度は慢性経過に伴い増加すると考えた。
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