研究課題/領域番号 |
16380230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小泉 望 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20252835)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | シトイヌナズナ / 小胞体ストレス応答 / シャペロン / BiP / 転写因子 / タンパク質切断 / シロイヌナズナ / 小胞体ストレス / 糖鎖 / タンパク質フォールディング / 分泌タンパク質 / 小胞体の品質管理機構 / 転写制御 / タンパク質のフォールディング / 細胞死 |
研究概要 |
植物の小胞体で合成されるタンパク質の安定性を規定する分子機構をモデル植物であるシロイヌナズナを用いて明らかにすることを目的とした。具体的には植物の小胞体ストレス応答の分子機構の解明に主眼を置いた。当初の計画では小胞体ストレス応答に異常を示す変異体を単離し、その原因遺伝子の同定を予定したが、このアプローチからは期待した結果が得られなかった。その一方で、ゲノム情報の活用により植物から初めて小胞体ストレス応答において遺伝子発現を制御する転写因子AtbZIP60を単離した。AtbZIP60は通常は膜に局在し、必要に応じてタンパク質レベルの切断を受け、核へ移行し転写活性化に関与する。このような制御を受ける転写因子は植物では初めての発見であり、その新規性は本研究で得られた大きな成果の1つである。本研究の遂行中に他のグループからタンパク質レベルで切断を受ける転写因子の発見が報告された。今後、このような制御を受ける膜タンパク質の発見が相次ぐと予想され、本研究は、タンパク質の膜内切断という観点からも植物における新たな情報伝達機構を発見したという点で大きな意味を持つと考えている。タンパク質の膜内切断による制御は動物では研究が進んでいるが植物での知見は非常に限られている。従って、AtbZIP60の膜内切断機構の解明が期待される。AtbZIP60の場合、S1P、S2Pなどのプロテアーゼの関与の可能性は少ないと考えられ、他のプロテアーゼが関っていると考えられる。また、AtbZIP60以外の転写制御因子の同定が植物の小胞体ストレス応答の包括的理解には不可欠である。遺伝子破壊株の解析からAtbZIP60が小胞体ストレス応答に関ることは明白である一方で、他の転写因子の存在が強く示唆される。IRE1の標的の同定などにより植物の小胞体で合成されるタンパク質の安定性に関する分子機構の全容解明が今後の課題である。
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