研究課題/領域番号 |
16390033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東 伸昭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40302616)
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研究分担者 |
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2005年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2004年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 化学物質過敏症 / マクロファージ / 樹状細胞 / リンパ節 / レクチン / 皮膚炎症 / アレルギー / ハプテン / 抗原提示 / サイトカイン |
研究概要 |
末梢組織に広く分布し、抗原の捕捉と提示を行うマクロファージ・樹状細胞などのミエロイド系細胞は、外界からの化学物質の影響に対して最も初期に、かつ最も鋭敏に反応する。我々は皮膚真皮などの結合組織に存在するマクロファージ、樹状細胞がマクロファージレクチン(MGL1/2)を高発現していること、この細胞が、有機溶媒や界面活性剤など日常接しておりそれ自身抗原性のない化学物質の刺激に応答して皮膚から所属リンパ節に移動することを接触皮膚炎のマウス病態モデルを用いて見出していた。さらにこの細胞がリンパ節に移動することにより、低分子抗原に対する接触皮膚炎の感作を増強することを見出していた。本研究では化学物質に対する生体の応答を、特にこの細胞の応答に着目して解析した。 主な成果は4点に集約される。1)化学物質の刺激に伴うMGL1/2陽性細胞の挙動変化を主にリンパ節で記述した。2)細胞移動に関与する分子機構としてsialoadhesinを同定し、さらに他の候補分子の検出にも成功した。3)皮膚とリンパ節におけるこの細胞の特性と機能を解析し、接触皮膚炎における感作の成立、抗原特異的な組織新生の誘導にMGL1/2陽性細胞が重要、もしくは必須であることを示した。4)MGL1/2陽性細胞の細胞移動と機能をMGL1の糖結合阻害抗体であるLOM-8.7によって阻害できることを示した。特に4)の知見は、レクチンの結合活性を阻害する物質の投与によって、抗原特異的な化学物質に対する応答を調節できる可能性を示すものである。本件については工業所有権の出願を既に行っている。化学物質に対する応答の新規調節方法として、今後も検討を続けていくべき重要な課題と考える。
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