研究課題/領域番号 |
16390039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
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研究分担者 |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
久保 義行 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20377427)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | トランスポーター / 薬物動態 / 創薬 / プロテインアレイ / 膜裏打ちタンパク質 / プロテンアレイ / 薬物体内動態 / 皮膚 / 腎臓 / 遺伝子発現 / 薬物トランスポーター / 局在機構 / 薬物速度論 / 小腸 / 肝臓 / SNP |
研究概要 |
生体は、要・不要なものの識別輸送によって栄養物質を効率的に取込む一方、異物に対しては防御機能を備えており、この過程にトランスポーターと代謝酵素が協調的に関わることが明らかにされつつある。しかし、生体は生体異物に対し、巧妙・多様な応答を示し、その複雑なメカニズムを理解するための新しいドグマの確立が要求されている。本研究では、分子認識および実体異物排除を担う分子をそれぞれ、パスポートタンパク質およびゲートウェイタンパク質と位置づけて、研究を実施した。 その成果として、(1)オリゴペプチドトランスポーター・PEPT1がβ-ラクタム系抗生物質であるcephalexinに対して代謝機能を発揮することを示唆した。このことは、薬物トランスポーターが輸送機能に加え、代謝機能を協奏的に発揮し、ゲートウエイタンパク質として効率的な異物排除に寄与する可能性が示された。(2)有機カチオン/カルニチントランスポーター・OCTN2がカルニチンの消化管取り込みの分子的実体であることを明らかとし、また、H1アンタゴニストの臓器分布に寄与することが明らかとした。本研究によってインフラックストランスポーターがパスポートタンパク質として機能し、生理的・薬物動態学的に重要であることが示された。(3)薬物投与部位として有用な皮膚に注目し、解析を実施した。NSAIDsであるflurbiprofenに担体介在性取り込み機構が存在することを見出した。薬物皮膚透過における薬物トランスポーターの寄与が示されたことから、新規経皮投与薬の開発が期待される。(4)OCTNsなどのトランスポーターが膜裏打ちタンパク質による制御を受けていることを示唆した。また、新規薬物スクリーニング系を考案し、その基盤技術を構築した。 本研究で得られた成果は、個体における役割解明、構造解析による分子機序解明、また、創薬への実用化などの多数の発展形態が期待される。
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