研究分担者 |
伊藤 昌彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50385423)
淡路 健雄 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60297546)
白川 英樹 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (40241070)
尾田 正二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (50266714)
河内 全 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70322485)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
哺乳類の受精時に卵細胞内カルシウムイオンが反復増加し(Ca^<2+>オシレーション),卵活性化(第二減数分裂の再開,第二極体の放出,雌雄前核の形成)の引き金となる.Ca^<2+>の増加はイノシトール3リン酸(IP_3)受容体を介する小胞体からのCa^<2+>遊離による.Ca^<2+>遊離は精子細胞質にあるCa^<2+>オシレーション誘起物質,即ち卵活性化蛋白質(Egg Activating Protein, EAP)が精子-卵融合時に卵内に移入することによる.IP3産生酵素であるホスホリパーゼCの新タイプであるゼータ(PLCζ)がEAPの有力候補とされている.本研究はPLCζの特性を解析し,PLCζが哺乳類のEAPであるか否かを検証することを目的として行われ,以下の結果を得た. 1)バキュロウイルス/Sf9細胞系で合成したPLCζ蛋白質をマウス卵に注入すると,低い濃度でCa^<2+>オシレーションが誘発された.2)PLCζのin vitro酵素活性アッセイで,非常に高い感受性を有し,静止時の1)バキュロウイルス/Sf9細胞系で合成したPLCζ蛋白質をマウス卵に注入すると,低い濃度でCa^<2+>オシレーションが誘発された.2)PLCζのin vitro酵素活性アッセイで,非常に高い感受性を有し,静止時のCa^<2+>濃度でも70%最大活性を持っていた.3)N端から1,2番目のEFハンドドメイン(EF1,EF2)は酵素活性に強く関与し,EF3は酵素活性のCa^<2+>依存性に関与する.4)C端側にあるC2ドメインはイノシトールリン脂質のうちのPI(3)P, PI(5)Pに親和性がある.5)PLCζに蛍光蛋白Venusを結合した蛋白質をコードするRNAをマウス卵に注入し,発現した低濃度のPLCζでCa^<2+>オシレーションが起る.6)発現したPLCζが卵の前核に移行する.7)核移行配列が触媒ドメインX, Yの連結部位にあり,またEF1とC2が会合するような立体構造が必須である.以上の結果は,PLCζがEAPの有力候補であることを支持するものである.さらにPLCζ欠損精子で受精時の卵活性化阻害を確認するため,PLCζの遺伝子ノックアウトマウスを作成した.また機能的な相補性を確認するためPLCζのトランスジェニックマウスを準備した.
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