研究課題/領域番号 |
16390063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
古川 賢一 弘前大学, 医学部, 助教授 (20165468)
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研究分担者 |
井ノ上 逸朗 (井上 逸朗) 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (00192500)
岡田 晶博 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90312488)
瀬谷 和彦 弘前大学, 医学部, 助手 (40281919)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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キーワード | 異所性骨化 / メカニカルストレス / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / siRNA / Cbfa1 / ヌクレオチド受容体 / 内軟骨性骨化 |
研究概要 |
脊柱後縦靱帯骨化症(OPLL)の病因解明のため、ヒトの脊柱靱帯細胞に一軸方向の周期的な伸展刺激(メカニカルストレス)を負荷して、それによって発現を変化させる遺伝子をcDNAマイクロアレイによって包括的に解析した。OPLL患者組織由来の靭帯細胞(OPLL細胞)は、正常な靭帯組織由来の細胞(非OPLL細胞)より機械的ストレスに対して感受性が極めて高いことが分かった。またI型コラーゲン、アルカリ・ホスファターゼ、オステオカルシンそして骨関連転写因子Cbfa1(Runx2)を含む多くの骨化関連遺伝子の発現が、メカニカルストレスによって亢進した。同様に靱帯組織レベルでも、OPLL患者からの靭帯組織が正常靱帯組織に比べてメカニカルストレス感受性が高いことが確認された。これらの結果は、メカニカルストレスが骨代謝に関連する様々な遺伝子の発現変化を介してOPLLの進展に関与することを示唆している。 一方、OPLL細胞におけるP2受容体サブタイプ発現のスペクトルは非OPLL細胞のそれと全く異なっていた。特に、OPLL細胞におけるP2Y1発現は、非OPLL細胞より著しく高く、SaOS2(骨肉腫細胞株)のそれとほとんど等しかった。P2Y1アゴニストとしてのATPはOPLL細胞で、アルカリフォスファターゼやオステオポンチンなどの骨化関連マーカー遺伝子の表現を増加させたが、非OPLL細胞ではそのような変化は認められなかった。またこれらの発現増加はP2Y1特有のアンタゴニストによって、ほぼ完全に抑制された。さらにメカニカルストレスはOPLL細胞からのATP遊離を著しく増加させた。これらの結果は、骨化の過程に影響を及ぼす細胞外因子の1つとして、P2Y1を介したATPの病態生理学的機能が重要であること示唆する。細胞外核酸並びにその受容体はOPLLの新しい薬物治療の標的となると期待される。
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