研究課題/領域番号 |
16390068
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
五嶋 良郎 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00153750)
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研究分担者 |
矢上 達郎 横浜市立大学, 医学部(現姫路獨協大学), 助手(教授) (00363812)
中村 史雄 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (10262023)
梶原 康宏 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 準教授 (50275020)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 附属病院, 助手 (90381491)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2005年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2004年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | ドーパ / ベンズアルデヒド / 線虫 / 化学走性 / 血圧制御 / モノアミン受容体 / 神経伝達物質 / Gタンパク質連関型受容体 / NMR / DOPA / DOPS / 3,4-dihydroxybenzaldehyde / 3,4-dihydroxybenzoic acid / C06H5.7 / caenorhabditis elegans / xenopus laevis oocyte / non-amine |
研究概要 |
当初、C06H5.7は線虫DOPA受容体候補分子として同定されたが、今回の研究によってDHBALDを含むDOPAノンアミン誘導体に対する受容体であることが判明した。C06H5.7はモノアミン受容体であるdopamine受容体、serotonin受容体およびtyramine/octopamine受容体と相同性が低い。モノアミン受容体においてカテコーラミンのアミノ基認識に関与しているアスパラギン酸(第三膜貫通領域)がC06H5.7においてはグリシンになっていることから、C06H5.7はアミノ基認識部位を欠失し、そのためチロシン・ドーパミン・ノルアドレナリンおよびセロトニン等のモノアミンには応答しなかったと推察された。DHBALDの構造類縁体を用い構造活性相関を調べた結果、C06H5.7は、ベンゼン環を基本骨核とし、側鎖に-CH2OH,-CHOまたは-COOHを官能基とするアルキル基を活性リガンドとすることが判明した。このことは、C06H5.7は水酸基、アルデヒド基およびカルボキシル基の認識部位が存在することを意味している。カテコーラミンのアミノ基認識に酸性アミノ酸であるアスパラギン酸が関与している様に、C06H5.7においてリガンド側鎖近傍の塩基性アミノ酸の正電荷がリガンドの水酸基、アルデヒド基およびカルボキシル基の負電荷と相互作用することによりリガンドを認識しているのかもしれない。 一方、線虫で見出されたリガンドは必ずしも哺乳類においては有効ではなく、別のDOPA代謝物がリガンドとなっていると予想された。 こうした中、我々は新規に同定した線虫GPCR C06H5.7のリガンドを同定する過程において、ほ乳類であるラットにおけるドーパ自体の作用を再確認するとともに、ドーパ由来の構造を有する作動薬、拮抗薬および逆作動薬の存在を示唆する結果を得た。この事実は我々が独自に獲得したドーパ誘導体単離・同定のための出発材料とNMR解析および質量分析による構造同定、血圧アッセイ系を組み合わせることにより、全く新しいドーパ関連化合物を獲得することが可能である事実を示している。
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