研究課題
基盤研究(B)
選択的スプライシングの制御は、遺伝子発現制御機構として転写調節に勝るとも劣らない生物的意義を有する可能性があり、脊髄性筋萎縮症(SMA)や前頭側頭型痴呆・パーキンソニズム(FTDP-17)など選択的スブライシングの異常に起因すると目される遺伝性疾患の報告も増加しつつある。また、HIV-1などウイルス感染機構においても、ウイルスRNAの選択的スプライシングが重要な意義を有することを我々は見出してきた。本研究では、選択的スプライシングの外界シグナルによる制御機構の一端を解明し、そのシグナル治療の理論基盤を構築することを目指して以下の成果を挙げた。1)米国のD.Cooperのグループと共同で、L6筋芽細胞でinsulinによって変化する選択的スプライシングが、PI3K→Akt/PKB→Clk→SRp40というリン酸化カスケードによって制御されていることを明らかにした。2)Clk結合蛋白として我々がクローニングしたCLASPはその生理機能が不明であったが、CLASPが神経細胞の生存に必須の因子である可能性を見出した。3)我々がSRPK阻害剤として独自に開発したSRPIN化合物はHIV-1だけでなく、サイトメガロウイルスなど他のウイルスに対しても、強い増殖抑制作用を有することを見出した。4)線虫を用いて組織特異的な選択的スプライシングを可視化することに成功し、異常な選択的スプライシングパターンを示す変異体のゲノムを解析して、組織特異的な選択的スプライシング制御因子asd-1を同定した。
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