研究課題/領域番号 |
16390075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古川 鋼一 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80211530)
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研究分担者 |
浦野 健 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70293701)
古川 圭子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (50260732)
田島 織絵 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (10362237)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2004年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | ノックアウト / 糖脂質 / 神経 / ニューロン / 変性 / ガングリオシド / ラフト / 炎症 / スフィンゴ糖脂質 / 神経変性 / グリア / 補体 / GD3 / 遺伝子発現 / アセチルコリン / セロトニン |
研究概要 |
1.GM2/GD2合成酵素とGD3合成酵素のダブルKOマウスの検討の結果、神経変性、皮膚損傷、抗不安と記憶・学習脳の低下、知覚機能低下、アセチルコリンのムスカリン型受容体の反応性低下と、セロトニン受容体5-HT2の反応亢進を認め、酸性糖脂質が神経組織の維持に必須であることが示唆された。 2.DKOマウスでの遺伝子発現プロフィールを検討し、DKOにおいて発現低下する遺伝子5種、亢進する遺伝子15種を同定した。特に補体・補体受容体遺伝子の発現亢進が認められ、補体制御分子のラフトでの機能不全、組織障害が補体系の活性化を招き変性増強に働くことが示唆された。 3.舌下神経再生実験の結果、GM2/GD2合成酵素KOマウスでは、再性能が著明に低下した。舌下神経核において発現低下する遺伝子をLCMとRT-PCRにより解析し、BDNF、GDNFなどの発現低下が示された。asialo-系糖脂質の欠損にはGD3の代償機能が不十分なことが示された。 4.lac-cer合成酵素であるβ4GalT-VI遺伝子KOを樹立したが、糖脂質に明らかな変化が見られず、lac-cer合成の多くはβ4-GalT-Vが担うことが示唆された。 5.GM3合成酵素の欠損マウスは問題なく出生、成長し、asialo-系列糖脂質の代償作用が示唆された。 6.Gb3/CD77合成酵素(α1,4-GalT)のKOマウスを用い、ベロ毒素に対する感受性が本酵素の発現に依っていることが確認された。 以上、KOマウスに残存する糖脂質の代償的機能のカバー可能な範囲と、固有の機能が見えてきた。今後のテーマとして、1、単一遺伝子KOとダブルKOマウスの異常表現型の比較による特定糖脂質構造の意義の解明、2、糖脂質糖鎖の特異的ligandの同定と意義の解明、3、糖脂質がクラスター形成する膜ミクロドメインのin vivoにおける解明が重要である。
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