研究課題/領域番号 |
16390098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)岐阜県国際バイオ研究所 |
研究代表者 |
野澤 義則 (財)岐阜県国際バイオ研究所, 所長兼部長 (10021362)
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研究分担者 |
赤尾 幸博 (財)岐阜県国際バイオ研究所, 部長 (00222505)
坂野 喜子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50116852)
大口 健司 (財)岐阜県国際バイオ研究所, 主任研究員 (80359257)
中川 義仁 (財)岐阜県国際バイオ研究所, 研究員 (60372108)
松本 健司 財団法人岐阜県国際バイオ研究所, 専門研究員 (60288701)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2005年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2004年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 酸化ストレス / 脂質 / ホスホリパーゼD / H_2O_2 / Aktキナーゼ / Pyk2キナーゼ / 生存シグナリング |
研究概要 |
ホスホリパーゼD(PLD)が、複雑な脂質シグナル伝達経路の相互連係、すなわち脂質シグナリングネットワークの中心的な役割を果たしていることが示唆されている。PLD1,2の過剰発現により、各種アポトーシス誘導が抑制され、PLDは生存シグナル系の活性化に関与することを示唆した。さらに、詳細なメカニズムを明らかにするために、神経系のモデル細胞であるPC12細胞を用いて、酸化ストレスによる生存シグナル系(PI3K/Akt)の活性化におけるPLDの関与について検討した。PC12細胞は、H_2O_2を作用させると初期応答としてPLDの活性化や各種シグナル酵素の強いリン酸化が認められ、H_2O_2によるPyk2のSrc依存性チロシンリン酸化が不活性型PLD2KRの導入およびPLD阻害剤である1-butanolにより抑制されたことから、Pyk2の活性化にPLD2の関与が示唆された。さらに、H_2O_2によるPI3K/Akt/p70S6Kの活性化も1-butanolやPLD2KRおよびドミナントネガチブPyk2DNの導入により抑制された。また、PLD2はSrcやPyk2に結合し、PLD2活性化が活性型SrcとPyk2の複合体形成を促進することによりPyk2の活性調節に関与することが示された。以上の結果から、PC12細胞では酸化ストレスによる生存シグナル系PI3K/Akt/p70S6Kの活性化にPLD2がPyk2/Srcの活性化を介して作用していることを明らかにした。また、PLD1は、mTOR/S6Kの活性化の促進に関与し、メラニン色素産生細胞の増殖に関与することを示した。 一方、スフィンゴシンキナーゼ(SPHK)もアポトーシス抑制に関与し、抗がん剤による細胞死に抵抗性を示すヒト前立腺PC3細胞では、抗がん剤カンプトテシン処理によりSPHK1活性の増加が認められ、薬剤耐性とSPHK1の関連性が示唆された。
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