配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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研究概要 |
ヒト癌細胞(呼吸器・消化器癌等)の網羅的遺伝子・蛋白発現解析、癌関連治療標的分子の同定、およびその遺伝子組み換え細胞の機能解析を通じた抗癌化合物探索系構築の基礎的検討を行い、以下に示す研究成果を得た。 1.網羅的な癌関連治療標的分子の同定と機能解析 全ヒト遺伝子の90%以上を網羅するcDNAマイクロアレイを用いて、肺癌・食道癌細胞における遺伝子発現プロファイルを解析した。得られた発現情報と臨床病理学的情報を各種数理学的手法で比較した結果、肺癌・食道癌の発症・進展、リンパ節転移、遠隔転移、抗癌剤感受性を規定する癌関連分子群を同定した(雑誌論文9,11,12,14,19)。 2.治療標的分子と相互作用する蛋白群の同定と癌発症機構の解明 同定した癌関連分子群のRNA干渉法による遺伝子発現阻害実験と組織マイクロアレイ解析による臨床病理学的因子との相関解析により治療標的となる11種類の癌遺伝子を同定し、これらの分子経路を介した肺癌・食道癌の発症・進展に関わる多彩な分子機構を明らかにした(雑誌論文1-4,7,8,10,13,15,16,20)。また独自の新規体細胞遺伝子相同組み換え技術を開発し、各種癌関連遺伝子の癌化における機能を明らかにした(雑誌論文5,6,17,18,21,22)。 3.新規薬剤候補化合物探索系の技術基盤の確立と創薬への応用 同定した治療標的分子の機能活性阻害を指標にした創薬アッセイ系の基盤技術を確立した(雑誌論文1,3,7,8,13,16)。 今後は網羅的発現情報解析により得られた癌の発症・進展機構に関わる癌関連分子の生物学的基盤データとこれまで構築してきた癌発症機構の迅速再現系を融合した新しい解析戦略を用いて、癌悪性化に関わる新規の分子経路の解明とそれを標的とした迅速な創薬展開を念頭に置いた解析を予定している。
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