研究課題/領域番号 |
16390108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
竹屋 元裕 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90155052)
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研究分担者 |
坂下 直実 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (90284752)
海北 幸一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (30346978)
寺崎 泰弘 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (50332870)
吉松 美佳 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (50372785)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | マクロファージ / SR-AI, II(CD204) / CD163 / スカベンジャー受容体ファミリー / 免疫染色 / オルタナティブ活性化 / CD204欠損マウス / 動物モデル / SR-AI,II(CD204) / モノクローナル抗体 / 樹状細胞 / マクロファージ亜群 / マクロファージ活性化 / マクロファージ分化 / 免疫組織化学 / パターン認識受容体 |
研究概要 |
スカベンジャー受容体ファミリー分子は、パターン認識受容体として幅広いリガンド結合性を示し、自然免疫や生体防御におけるマクロファージ(Mφ)機能に重要な役割を担っている。なかでもCD204(クラスA-スカベンジャー受容体I,II型)およびCD163(ヘモグロビンスカベンジャー受容体)はMφに特異的に発現し、病理組織診断におけるMφマーカーとして有用と考えられる。私どもが独自に作成した抗CD204抗体および抗CD163抗体はパラフィン切片に利用可能で、これらの抗体を用いて肉芽腫性疾患を免疫組織化学的に検討すると、肉芽腫周囲への浸潤Mφは何れの抗体にも強陽性所見を示したが、類上皮細胞や多核巨細胞は陰性もしくは弱陽性であった。破骨細胞や骨巨細胞腫に出現する多核巨細胞も陰性であり、CD204およびCD163は特定のMφ亜群に発現された。単球由来Mφを用いた検討では、CD204とCD163はIFN-γによって活性化される古典的活性化Mφよりも、IL-4やIL-10によって活性化されるオルタナティブ活性化Mφに強く発現誘導がおこり、後者のマーカーとして有用と考えられた。CD204陽性マクロファージの機能を明らかにするために、CD204欠損マウスを用いて心筋梗塞モデルおよび高濃度酸素暴露肺傷害モデルを作成すると、いずれも欠損マウスではTNF-αの産生やMMPの活性化が亢進し、前者では心破裂による死亡が有意に増加し、後者では肺傷害が増悪した。このことから、CD204陽性Mφは過度の炎症性サイトカインの産生を抑制し、炎症の制御に関与することが明らかとなった。これらの結果からCD204およびCD163はオルタナティブ活性化Mφの優れたマーカーと考えられ、今後、ヒト病的組織におけるオルタナティブ活性化Mφの出現と病変との関わりを解析する上で有用な指標となるものと考えられた。
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