研究課題
基盤研究(B)
HIVによるエイズ脳症およびHSVによるヘルペス脳炎の分子メカニズム、特にそのシグナル分子群の解明を行うために、組織学的に神経組織が再構築できるラット脳海馬スライス培養系を確立し、この培養系を用いてこれらのウイルスによる組織破壊過程の動態把握実験を行った。このスライス培養にHSV-1を感染させると急速なウイルス増殖と組織破壊がみられたが、ある未分化細胞群に、おそらく神経幹細胞と考えられるが、ウイルスは感染し、細胞内に定着、そして持続的にウイルスを産生することが判明した。この事実は、神経幹細胞は脳内においてウイルス持続感染細胞として中心的な役割を担うことが示唆された。一方、これまで脳内におけるHIV-1の標的細胞としてマクロファージが注目されてきたが、それはHIV-1に感染したマクロファージが脳内に侵入し、神経細胞に対して障害性因子を遊離すると考えられてきたからである。そこで、このスライス培養系にHIV-1に感染したマクロファージを共存させたところ、もちろんラット脳スライス内の細胞はHIV-1に感染しないが、特に神経細胞、さらに、未分化神経細胞に対してその細胞障害活性が見出された。この事実は、神経障害因子とともに神経細胞分化阻害因子がマクロファージから遊離されている可能性が考えられた。そこで、このHSV-1、ならびに、HIV-1感染スライス培養内における細胞性遺伝子発現の変化を把握するために、マイクロアレイ法を用いて、いくつかの神経細胞障害に関わる遺伝子の発現が大きく変化していること、さらに、この遺伝子発現の変化をRNA-PCR法により確認した。これらの結果は脳内の宿主因子がウイルス脳炎の成立過程に関わり、増悪因子あるいは防御因子として働いて可能性を示唆する。
すべて 2006 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (36件)
Journal of Virology 80
ページ: 5563-5570
J.Virol. 80
Journal of Virology 79
ページ: 2087-2096
Reviews in Medical Virology 15
ページ: 169-178
Human Reproduction 20
ページ: 1477-1484
Journal of Biochemistry 138
ページ: 583-592
Blood 106
ページ: 3449-3456
J.Virol. 79
Rev.Med.Virol. 15
Hum.Reprod. 20
J.Biochem. 138
Blood. 106
AIDS Research Human Retroviruses 4
ページ: 325-330
Journal of Biochemistry 135
Journal of Virology 79巻4号
Journal of Neuroimmunology 51
ページ: 189-194
Microbes & Infection 6
ページ: 715-724
Journal of Virology 78
ページ: 8654-8662
ページ: 11352-11359
European Journal of Neuroscience 20
ページ: 2499-2508
J Neuroimmunol. 51
J.Virol. 78
Eur.J.Neurosci. 20
Journal of Neuroimmunology 51巻1-2号
Microbes & Infection 6巻8号
Journal of Virology 78巻16号
Journal of Virology. 78巻20号
Europian Journal of Neuroscience 20巻10号
Revew in Medical Virology (印刷中)
Human Reproduction (印刷中)