研究課題/領域番号 |
16390117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
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研究分担者 |
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70224748)
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | ADAM / インテグリン / 癌の転移 / メタロプロテアーゼ / ディスインテグリン / )ディスインテグリン / 脳転移 / 肺癌 |
研究概要 |
ADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリー分子はメタロプロテーゼとディスインテグリンをあわせ持つ膜結合型分子である。転移におけるADAM分子の意義を解明する目的で、肺癌細胞株EBC-1の脳転移株および骨転移株におけるADAMファミリーの発現を検討した。その結果、脳転移株では親株および骨転移株に比較して有意にADAM9のmRNAの発現亢進が認められた。肺癌細胞株A549にADAM9を遺伝子導入したトランスフェクタントは親株およびmock trasnfectantに比べて、神経成長因子(NGF)に対する浸潤性の増強、脳組織スライスに対する細胞接着性の亢進およびインテグリンα3β1の発現レベルの亢進が見られた。α3β1以外のインテグリンの発現レベルには有意な差は見られなかった。ADAM9のトランスフェクタントをスキッドマウスの尾静脈に注射して転移を観察したところ、肺の多数の転移結節とともに脳内における微小転移を多数認めた。親株およびmock trasnfectantは肺転移のみで脳転移は見られなかった。これらの結果より、脳転移にADAM9が重要な役割を果たしている可能性が示された。 ヒト線維肉腫細胞株HT1080にADAM9を遺伝子導入、高発現した細胞株を作成し、インテグリンの発現の変化をFACSで検討した。その結果、遺伝子導入により野生型に発現しているインテグリンの中でα4のみ発現消失が認められた。α4β1のリガンドであるCS-1ペプチド、VCAM-1(vascular cell adheion molecule-1)との接着性は喪失した。また、CS-1ペプチド、VCAM-1に対する細胞遊走能、浸潤能も著明に抑制された。ヌードマウスの尾静脈からこれらの細胞を投与すると野生型の株が肺に多数の結節を形成したのに比較して、トランスフェクタントでは肺転移数の著明な減少が見られた。皮下への投与では腫瘍の増殖速度に有意な差は見られなかった。 以上の研究からADAM9はインテグリン発現に何らかの機序で影響を及ぼし、その結果、転移の形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
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