研究課題/領域番号 |
16390123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所) |
研究代表者 |
和田 芳直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 所長兼部長 (00250340)
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研究分担者 |
渋川 幸直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 研究員 (90393264)
中村 織江 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 流動研究員 (40399613)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 抗リン脂質抗体 / β2グリコプロテインI / 胎盤 / 補体 / 細胞外マトリックス / 着床 / 細胞融合 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 白血球 / 不妊症 |
研究概要 |
抗リン脂質抗体が胎盤血栓から不育症に至る過程で、まず補体活性化が起こることについてはコンセンサスが得られているが、病態形成に関わる分子機構の全体像を把握するために、陰性荷電リン脂質に結合する血漿タンパク質の網羅的解析を行った。オクチルセファロースにカルジオリピンあるいはフォスファチジルセリンを結合させ、それに対して結合する血漿タンパク質を二次元電気泳動、ペプチドマスフィンガープリントにより同定した結果、次のような分子が得られた。factor H, FHR-1(factor H-related protein 1),IHRP(inter-alpha-trypsin inhibitor family heavy chain-related protein),C4,C1q。これらのうちfactor HとFHR-1はいずれもβ2-glycoprotein I(β2GPI)と同じくSUSHIドメインを持つ分子である。factor Hは自己膜面上でC3bに結合することで補体活性化を制御すること。また、マクロファージが非炎症的にアポトーシス細胞を貪食除去するには急性相反応蛋白CRPがfactor HとC1qの存在下でアポトーシス細胞に結合していることが必要であり、さらにfactor H欠損症は腎微小血管血栓により溶血性尿毒症症候群HUSを起こすことが知られていることから、β2GPIと同様に、factor Hに対して抗リン脂質抗体が結合する病態発生機構を考えた。実際の患者においてfactor Hに対して結合性を有する抗体を有しているものがいることもわかったが、臨床症状との強い関わりを証明することはできなかった。 抗リン脂質抗体が補体を活性化する系をin vitroにおいて解析するために、ウサギ赤血球の溶血を指標とする系を立ち上げた。そして、抗リン脂質抗体の抗原とされてきたβ2グリコプロテインI自体に補体活性化活性があることを見出した。 一方、着床期についても研究を進めた。着床期の細胞外マトリックス(ECM)ではECMを分解する担い手とされるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)のメンバーであるMMP9の活性が着床期前に上昇することを見出し、それが精漿に誘導された白血球によってもたらされることをin situ zymography、免疫組織化学、精管結紮雄マウス、精嚢切除雄マウス、RB6-8C5抗顆粒球抗体を用いた白血球減少雌マウスなどを用いて明らかにし、論文として発表した。
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