研究課題/領域番号 |
16390137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡本 宏明 自治医科大学, 医学部, 教授 (30177092)
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研究分担者 |
西澤 勉 自治医科大学, 医学部, 講師 (30306112)
高橋 雅春 自治医科大学, 医学部, 講師 (70326841)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2005年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2004年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | E型肝炎 / E型肝炎ウイルス / 人畜共通感染症 / ELISA法 / IgAクラス抗HEV抗体 / 感染源 / 食感染 / 遺伝子型 / 感染経路 / 劇症肝炎 / 核酸診断法 / IgAクラスHEV抗体 / 輸血感染 |
研究概要 |
研究代表者らは、最近の研究により、わが国でも人畜共通感染症としての国内感染のE型肝炎が少なからず存在することが明らかにしてきた。本研究において、E型肝炎ウイルス(HEV)の生態および病原性の分子基盤を解明するとともに、医生態学的調査結果に基づいた具体的な感染予防対策案を提示することを目的として、HEV感染に対する高精度・高感度の核酸診断法および抗体検査法を開発し、その有用性を検討した。特に、イムノグロブリン別に抗HEV抗体を測定し、急性期のE型肝炎の血清診断において、IgAクラス抗HEV抗体の測定が感度および特異性において優れていることを明らかにした。HEVの感染源および感染経路の研究において、HEVに汚染されたブタ肝臓あるいはブタホルモン(大腸・小腸)を生、あるいは加熱不十分な状態での摂取が、E型肝炎の発症と密接な関係があることを明らかにした。また、飼育ブタに比べると感染率は低いが、野生のイノシシやシカでも抗HEV抗体やHEV RNAが検出され、それら動物も感染源となっている可能性を示した。さらに、肝機能異常を示す献血者の一部からHEV RNAを検出するとともに、輸血後にHEVに感染した患者から分離されたHEVと、輸血に用いられた血液の保存パイロットから分離されたHEVの塩基配列が100%一致していたことを明らかにし、稀ではあるが輸血に伴うHEV感染が存在することを実証した。E型肝炎発症例のなかには黄疸遷延例や血液凝固能低下例などの重症化例や意識障害を伴い死亡する例もあるが、E型肝炎の重症化の因子として、高齢や基礎疾患の有無などの宿主因子に加えて、遺伝子型というウイルス因子も重要であり、4型の方が3型よりも重症度と密接な関連があることを明らかにした。
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