配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
ヘルペスウイルス感染初期の分子機構に関わる現象について解析した。 1.HSV-1をモデルとして細胞間融合やVSVシュードタイピングなどの方法により、ウイルス糖蛋白gB, gH, gL, gDの4蛋白の組合せがウイルス粒子による感染と同等な機能を果たすことを示した。VZV、 CMVの感染成立に必要と思われる糖蛋白群の発現系を構築し、HSV-1で確立したと同様な系で解析したが、いずれの糖蛋白の組合せにおいてもHSV-1と同等な結果を得られなかった。しかしながら、CMVやVZVの糖蛋白がHSV-1の糖蛋白の機能を阻害することはなかった。 2.MLVのenv蛋白と目的蛋白をVSVにシュードタイプすることにより中和抗体の標的の中心となる糖蛋白のエピトープを解析できる方法論を確立した。 3.レポーター細胞を用いて、吸着・侵入過程を標的とする感染阻害法開発の基盤となる解析を行い、ヘパリン様化合物による吸着阻害、キナーゼ阻害剤による感染初期過程の阻害などを明らかにした。 4.DNAを精製することなく濾紙片をそのまま鋳型としたリアルタイムPCR法を開発し、健常小児の尿検体などをスクリーニングし、多数のCMV株DNAを得た。これらの材料を用いて、糖蛋白のゲノムタイプを解析し、gH, gO, gN間に相関はあるが、gBには相関を認めなかった。この結果から、中和など積極的な選択により、gB遺伝子が変化しやすい、もしくは、逆にgH, gO, gNの蛋白間相互作用により宿主への侵入などの機能が保持されるため、gBに比べて変化しにくいという2つの仮説が導かれた。 5.インターフェロン誘導遺伝子ISG54KのプロモーターのCMV感染による活性化機構を検討した。感染直後に発現されるIE2蛋白及び宿主の転写因子USF蛋白の結合配列に活性化が依存した。
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