研究課題
基盤研究(B)
温室内で生育中の2種類の木性シダから放出される塩化メチルをバッグエンクロージャ法によって測定した結果、ヒカゲヘゴからの塩化メチル放出量は日中に減少し、クロヘゴからの放出量は日中に増加することが明らかとなった。さらに、大型チャンバーと低温濃縮/GC/MSから構成される放出量自動測定システムを開発して、塩化メチル放出量の連続観測を行ったところ、両者とも放出量は日中に低下した。気温の変化に対してクロヘゴは正の応答を示し、ヒカゲヘゴは負の応答を示した。1)ラット由来の肺胞上皮細胞と肺毛細血管内皮細胞を用い、基底膜を有する正常肺胞壁を模した2〜0.5μm厚の培養組織の作製に成功した。この培養系に粒径20nmと200nmの蛍光標識されたポリスチレン粒子と金コロイド粒子を培養組織に添加して、粒子の動態・通過機構・認識機構を検討した。A)細胞間の結合部ではなく細胞に取り込まれた20nm粒子がわずかではあるが細胞層を通過するが200nm粒子は通過しなかった。B)200nm粒子はphagocytosisで、20mm粒子はpinocytosisで細胞に取り込まれ、核やミトコンドリアへの移行はなかった。C)カーボンナノチューブは凝集が激しく単粒子で曝露して毒性評価することは困難であった。細胞内シグナル伝達分子の活性化としてNF-κBの核移行と、サイトカイン(IL-1b、TNF)の分泌は検出されなかった。MAP kinaseのリン酸化がナノナノチュいブ添加で検出されたが、毒性の弱い20nm粒子では弱かった。2)マウスに気管内投与した20nmと200nm金粒子は、主にマクロファージに貪食され、ごくわずか20nm粒子は粒子単独で循環系に入り体内移行することが形態的及びICP-MSで示された。3)マウスにカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、二酸化チタンを気管内投与し、肺への影響を検討した。組織染色ではNF-κBの核移行は検出されず、サイトカイン(IL-1β、TF-α、TGF-β)は50μgのカーボンナノチューブ投与でわずかに分泌が亢進していた。50μgと10μgのカーボンナノチューブ投与で肺の炎症、肉芽腫、部分的な線維化が認められ、ニッケル含量の多いシングルウォールのカーボンナノチューブで影響が強かった。カーボンナノチューブは肺胞マクロファージに貪食されていたが一部上皮細胞に刺さっている像も観察された。
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Arch Toxicol 80(3)
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Arch Toxicol. 80(3)
The measurement and influence of automobile discharged nanoparticles and DEP. (Ohsei, Y. et al.,)(NTS Co. ltd., Tokyo)(239P)
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