研究課題/領域番号 |
16390233
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
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研究分担者 |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメディカルセンター, 助教授 (20208523)
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90359597)
藤村 理沙 (藤村 理紗) 千葉大学, バイオメディカルセンター, 助手 (30376363)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | BCL6 / 転写抑制因子 / 肺線維症 / アポトーシス / 気道上皮細胞 / ケモカイン / クロマチンリモデリング / 間質性肺炎 / 線維化 / 遺伝子欠損マウス / 遺伝子導入マウス / 細胞死 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス |
研究概要 |
1)気道上皮細胞BCL6強発現マウスの作製と解析:肺胞上皮細胞でBCL6が特異的に発現する目的でサーファクタントプロテインC(SPC)遺伝子のプロモーターを使用してSPC-BCL6-トランスジェニック (Tg)マウスを作製中した。LPSやブレオマイシン経気道投与による肺炎症および線維化の解析を行ったが、野生型マウスと比べて明らかな異常を認めなかった。また、いずれのTgマウスも外因性BCL6の発現が弱く、強発現マウスが得られなかった。また、BCL6強発現安定細胞株の作製を試みたが、細胞死を誘発するため、BCL6強発現による解析は困難であった。一方、BCL6の機能抑制を目的とし、ヒト肺胞上皮細胞であるA549にBCL6のDNA結合ドメインを欠損させたBCL6-ドミナントネガティブ(DN)遺伝子を強発現させたヒト肺胞上皮細胞機能安定株(SPC-DN-BCL6-A549)の確立に成功した。本研究では、おもに、この細胞を用いて解析した。また、現在、SPC-DN-BCL6-Tgマウスを作製し、.解析中である。2)SPC-DN-BCL6-A549の解析:BBCL6は気道上皮細胞でも発現している。また、気道上皮細胞は様々なケモカインやナイトカインの産生による気道炎症の制御や、上皮細胞のアポトーシスが肺線維症の原因になる可能性があることから、このような肺胞上皮細胞の機能に対するBCL6の役割をSPC-DN-BCL6-A549を用いて解析した。 SPC-DN-BCL6-A549は継代可能であったが、無刺激で増殖能がA549に比べて明らかに低下し、さらに、ブレオマイシン添加による細胞傷害によるアポトーシスに対して一時的に抵抗性を示すが、その後、急速に細胞死を示した。以上の結果より、BCL6が細胞の生存や恒常性の維持に関与することを明らかにした3)BCL6のケモカイン遺伝子クラスターの制御機構:MCP-1を含む一連のケモカイン遺伝子群がBCL6によって統合的制御されることを見出した。この遺伝子クラスターには、多くの炎症性疾患で重要な役割を果すケモカインが存在していることから、BCL6は細胞恒常性維持機能と共に、ケモカイン産生の制御に深く関与することが考えられる。このようなBCL6の機能の破綻は間質性肺炎および肺線維症の発症に影響する可能性があると考えられる。
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