研究課題
基盤研究(B)
本研究では、患者への侵襲・負担を軽減する先進医療(診断・病勢把握・治療技術)の確立に向け、特定の病態応答分子(転写因子、分泌型蛋白)をセンサーとして用い、鋭敏かつ特異性の高い生体内バイオセンサーを構築することを目指した。具体的には血中の外来マーカータンパクのレベルを測定することで病勢をモニタリングし、病態の変化を早期に感知しうる簡便な病勢監視システムの開発を最終目標とした。この目標に向け、本研究では特に種々の炎症関連病態および小胞体ストレス関連病態に焦点を当て、生体内における炎症レベルおよび小胞体ストレスレベルの継続的・非侵襲的な評価を可能にするバイオセンサーシステムの開発を行った。炎症に関しては、炎症に即応して活性化されるNF-κBを分子センサーとして用い、分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)をリポーターとして用いることにより、糸球体腎炎という局所の微小炎症の病勢を、継続的・侵襲的かつ安価・簡便に行いうることを示すことが出来た。またこの手法を用い、炎症応答に於いて重要と考えられる組織細胞と炎症細胞とのクロストークをリアルタイムにモニタリングする手法も開発し、細胞間クロストークの分子メカニズムに関する新たな知見を得た。小胞体ストレスに関しては、ストレスに即応して活性低下が生じる小胞体ストレス応答性アルカリフォスファターゼ(ES-TRAP)を分子センサー/リポーターとして用いたトランスジェニックマウスを作製することにより、腎機能不全を惹起する病態(重金属中毒、敗血症)における小胞体ストレスの役割を明らかにし、またin vivoにおける小胞体ストレスの推移をリアルタイムかつ非侵襲的にモニタリングすることが可能なことを証明することができた。更に確立した手法を用い、各種病態における小胞体ストレスの惹起とその誘導機序、またその生理・病理学的役割に関し、種々の新たな知見を得ることができた。
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