研究課題/領域番号 |
16390260
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山田 信博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40200729)
|
研究分担者 |
島野 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (20251241)
豊島 秀男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20197966)
曽根 博仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30312846)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2004年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
|
キーワード | メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / 転写因子 / 糖尿病 / SREBP |
研究概要 |
糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病は、終局的には虚血性心疾患や脳卒中などの動脈硬化性疾患を生じて、日本人のQOLおよび生命予後を著しく悪化させている。高カロリー、高脂肪、高単純糖質さらに運動不足の欧米型の生活習慣では、インスリン抵抗性や肥満を基軸として、加齢とともにいつの間にか、糖尿病のみならず高脂血症、高血圧などの動脈硬化危険因子を重積する場合が多い。メタボリックシンドロームの共通の病態として、肥満やインスリン抵抗性が注目されているが、その病態は単一ではなく、特定の遺伝子変異というよりは倹約遺伝子などの関連遺伝子機能の調節ないしは発現異常として捉えるべきであり、私達は遺伝子転写調節の視点、すなわち糖脂質代謝におけるエネルギー過剰あるいは消費不足に対する病的破綻状態という視点からエネルギー代謝制御機構の研究を展開してきた。メタボリックシンドロームの共通病態のひとつとして注目されているインスリン抵抗性について、肝臓における脂質合成転写因子SREBP-1cが直接関与していることが最近明らかにした。SREBP-1cのIRS-s抑制の分子機序を明らかにするためにヒトIRS-2プロモーターの解析を行ったところ、IRS-2プロモーター上に報告されているインスリン応答性配列(IRE)にオーバーラップして、SREBPの結合配列(Sterol Regulatory Element, SRE)を見出した。詳細な検討の結果、SREBPはこのSREに結合し、IRE結合する活性化因子の締め出しを行う結果、プロモーター活性が低下することを見出した。さらにSREBP-1cは、FoxoによるIRS-2プロモーター活性が低下することを見出した。さらにSREBP-1cは、FoxoによるIRS-2プロモーター活性の増加を競合的に抑制することを示した。このSREBP-1cとFoxo間の転写拮抗ネットワークによるIRS-sの発現制御の解明は、SREBP-1cによる肝臓インスリン抵抗性の機序のみならず、肝臓における栄養関連遺伝子の発現抑制機構をよく説明した。
|